眠れているつもりなのに日中眠気が来てパフォーマンスが落ちる睡眠時無呼吸症候群。
知らないうちに眠っている姿勢で無呼吸となり、体内の酸素濃度が低下し、さまざまな合併症を引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群で引き起こす合併症は主に循環器系の病気です。
人が睡眠を取る時間はだいたい5〜7時間です。
その間、無酸素状態になると体内の酸素は少なくなり、心臓で最低限必要な酸素が満たされないことになります。
しかし、あなたはたとえ循環器系の病気の予備軍と病院で診断されても、自覚がないため睡眠時無呼吸症候群が原因だとは思えません。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群で引き起こす合併症のリスクを書いています。
睡眠時無呼吸症候群ではないかとあなたが自分を知ったとき、合併症のリスクを理解しておけば、すぐに改善したいと思えます。
私は脳科学と神経生理学を独学で学んでいますので、脳に残りやすい文章構成が作れます。
この記事を見て頂けるだけで、ストレスなく脳に記憶され、理解できます。
ぜひ最後まで見てくださいね。
この記事を読んで分かること
- 睡眠時無呼吸症候群で引き起こす合併症がわかる
- 睡眠時無呼吸症候群は主に循環器系の病気にリスクがある
- 睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に無酸素になり酸素が減る病気
この記事のライター
感覚で身体を変化させるスキルを持つパーソナルトレーナーtak
パーソナルトレーナー歴;21年
運動しないで美しくなれる方法を研究
わたしのパーソナルを受けた女性は年齢不詳になると人気が出る
運動しなくても美しさが保てるように、皮膚接触で脳を修正し、免疫、循環から変化させるパーソナルトレーニングを実践。
趣味;読書(哲学書)街をウォーキング、温泉に入る
あなたに出会える日を楽しみにしています。
Contents
睡眠時無呼吸症候群が引き起こす合併症は循環器系の病気(解決)
睡眠時無呼吸症候群で引き起こす主な合併症は、循環器系の病気です。
循環器系とは、医学的に言うと、血液およびリンパ液を体内の組織に供給するための器官です。
具体的な器官は、生命の元である心臓。そして心臓から出ている血管すべてを指します。
循環器系は血液やリンパ液を運搬する作用があります。血液が生命維持に必要な栄養を運搬するトラックのような働きをします。血液内には、酸素、二酸化炭素、代謝産物、熱、ホルモンなどの物質が含まれています。血液は導管と言われる血液運搬の回路を通り心臓のポンプ作用によって流動するシステムです。リンパ液の循環を伴うのをリンパ系と言います。
睡眠時無呼吸症候群が長く続くと、循環器系の病気と合併するリスクが高くなります。
環境内のストレスによって脳が受けたストレスを抑制しようとストレスホルモンが分泌されます。
ストレスホルモンは、細胞の運動を過剰にし、その分酸素をたくさん使用することになります。
そのため環境内にストレスがあると、細胞に使用されたエネルギーを補給してまかなおうとしてエネルギー摂取を増やします。つまり、高カロリー食、高糖質食に手を出したくなります。
私もストレスが多いとき過食がやめられない時期がありました。
寝る前に食べるラーメンやスナック菓子、アイスなどがやめられません。
このような身体が必要とするエネルギー以上に食べ物を摂取すると、脂肪が多くなり、体内の健康状態は悪化します。
血液成分のバランスが崩れ、血管にはコレステロールが付着。
ドロドロの高糖質な血液を溶かすために、酸素をたくさん使用し心臓は血液を何度も出すことで、血圧が上昇し、さまざま炎症反応により、病気のリスクが高くなります。
このようなストレスによる生活習慣の乱れが前提にあって、睡眠時無呼吸症候群が出てきます。
生活習慣の乱れで循環器系に負担をかけている状態に、睡眠時の無呼吸で循環器系の負担が増えて合併症のリスクが高くなるのです。
では、次に睡眠時無呼吸症候群が循環器系に負担をかけ合併症を引き起こす理由を見ていきます。
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睡眠中の無呼吸で低酸素状態になり心臓に負担をかける
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無酸素となるため、体内に入る酸素が減り、心臓が頑張り過ぎる状態になります。
循環器系は、心臓にすべてを依存します。
心臓のポンプ作用が乱れると、大動脈、大静脈などの主要な血管を通る血液内の酸素が少なくなります。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の姿勢で上気道が塞がれるので、首を絞められたのと同じで呼吸ができない状態。
酸素が入ってこないと、心臓はポンプ作用を起こせません。
1秒前の酸素で体内の老廃物を含んだ二酸化炭素を呼気によって吐き出さないといけません。
この作用の連続性で心臓のポンプ作用がエネルギーと老廃物を順次循環させています。
睡眠中に酸素が少なくなると、心臓内に酸素がなくなります。
心臓は生命の源なので、酸素が入ってこないという緊急事態に備えてさまざまな対応をします。
心臓に入る酸素が少なくなると、肺はめい一杯拡張させ、酸素を取り込もうとします。
肺が拡張されると、心臓と肺を外側を覆っている胸郭という鳥かごのような枠組み内の外圧が高くなるのです。
胸郭という限られた狭い空間で肺の拡張で外側に圧がかかると、中心にある心臓には陰圧と言って心臓への自然の力が失われます。
心臓は胸郭が外側から内側に内圧を高めることで、心臓のポンプ作用をスムーズにしています。
陰圧となると、心臓のポンプ作用が落ち、心臓はたちまち運動の力を失い、血液量が減ることで、生活習慣で問題を持っている循環器系の部位にまともに負荷がかかります。
睡眠時無呼吸症候群で引き起こす循環器系の合併症の原因は、無酸素によって二酸化炭素が排出されにくくなるのと、酸素が少なくなって肺の拡張による心臓の陰圧状態です。
これらの原因が、生活習慣で乱れ、循環器系の機能を低下させていた部位にさらに負担を与え、循環器系の合併症と発展します。
睡眠時無呼吸症候群がまだ医学でも分かっていない頃では、循環器系に疾患のある方は明け方によく亡くなるケースをよく聞きました。
たいていは自宅で起きたときに亡くなっていたわけですが、そのような方々にも睡眠時無呼吸症候群が起きていたと思われます。
また違うケースでは、お風呂に入ったまま亡くなっていたというケースです。
この場合、若い方にもお風呂で急死という症例を聞いたことがあります。
お風呂で急死するケースは、疲れがたまり、お風呂に浸かると体表が温められます。
交感神経から副交感神経にスイッチされ、眠りに入りやすくなります。
就寝時のようにお風呂であお向けになる姿勢はあり得ませんが、首の位置によっては反り返る姿勢が出てきます。
このとき、上気道が塞がれ、無酸素状態となるのではと考えられます。
ストレスによる生活習慣に乱れで日頃から循環器系にどこかに負担がかかり、一気に合併症を起こし、心不全を起こしたと考えることができます。
睡眠時無呼吸症候群はそれだけ循環器系の合併症で死のリスクも高いですので、早期に改善しておきたいですよね。
睡眠中に無酸素は心臓や血管、脳の病気のリスクを高める
睡眠時無呼吸症候群は、この記事で見てきたように、循環器系の合併症のリスクがあります。
合併症とは、一瞬で引き起こす病気への悪化です。
1番望ましくないのが、急性心不全で心臓停止状態です。
心臓停止すると、心臓マッサージかAEDによる電気ショックでしか回復する見込みはありません。
無酸素で心臓の循環が乱れ、二酸化炭素の排出が遅れると、体内に毒素が多くなる状態です。
二酸化炭素量が一時的に体内で増えると、肝臓や腎臓機能が著しく低下すると言われています。
血液検査で肝臓や腎臓に数値が思わしくないなら、睡眠時無呼吸症候群を疑うことです。
生活習慣の乱れで循環器系の機能が低下している体内に、二酸化炭素量増加で、肝臓や腎臓の機能低下がプラスされているケースもあります。
その結果、ますます循環器系の合併症のリスクが高くなるのです。
睡眠時無呼吸症候群は、脳にも負担をかけます。
心臓のポンプ作用は当然脳細胞への栄養供給となりますので、無酸素によって脳細胞の代謝不良が出てきます。
脳血管障害である脳梗塞や脳出血などが代表的な病気ですが、それ以外にも私の仮説では脳細胞の弱化や脳内の神経回路にも影響を与えていると考えます。
パーキンソン病や認知症。
高次脳障害である注意障害、学習障害、遂行性機能低下など、日常生活に支障をきたす神経的な問題にも発展する可能性があります。
病院で検査しても異常が出ないからと言って問題がないとは限らないのです。
人が脳内で思考、記憶、学習、行動プログラムなどはあなたが求める人生設計の基礎となるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群で無酸素が影響して、脳内のパフォーマンスが低下すると、人生の質を落とすことになります。
睡眠に特に悩みがなく、日中に眠気が感じられなくても、知らぬ間に睡眠時無呼吸症候群だった方もいます。
睡眠がうまくなされているのか見直してみるのも大切ですね。
では、睡眠時無呼吸症候群で引き起こす合併症の病気を具体的に見ていきます。
睡眠時無呼吸症候群で引き起こす合併症
睡眠時無呼吸症候群で引き起こす合併症は、主に脳血管障害と心疾患です。
日本人の死因は、1番が悪性腫瘍であるがん。2番と3番には脳血管障害と心疾患が日本人の代表的な死因となっています。
がんはステージ1から4まであって、死が突然訪れることはありません。
脳血管障害と心疾患は合併症を引き起こし、急性心不全となって突然死があります。
睡眠時無呼吸症候群では、脳血管障害と心疾患の原因となるので、すぐに改善させていかないと不慮の死を招くリスクがあります。
睡眠時無呼吸症候群を改善させる知識を他の記事で提案します。
改善のために必要な日常生活でできることもまとめますので、またそのときは見ておいてください。
高血圧
睡眠時無呼吸症候群で循環器系の合併症を引き起こすのは、高血圧です。
合併症というのは、循環器系でいつどの瞬間で悪循環となるか分からない恐さがあります。
睡眠時無呼吸症候群に気づかず放置し、ある日収縮期血圧である高い方の血圧が20も上がったという症例を知っています。
循環器系に機能低下があっても急変はしないものです。
でも、睡眠中に無酸素状態になる睡眠時無呼吸症候群は、急変する合併症を引き起こすのです。
やや高血圧気味だった方やかかりつけ医で高血圧と診断されて、血圧を低下させる降圧剤を服用する方が、睡眠時無呼吸症候群によって急に高血圧をきたす例はよくあるのです。
降圧剤の種類
- カルシウム拮抗薬
アダラート・セバミット・アムロジピン・ノルバスク・カルスロット・カルブロック・ランデル - ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
レニベース・タナトリル・コバシル・テモカプリル・エースコール - ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)
ミカルディス・ニューロタン・オルメテック - 利尿剤
アルダクトン・ナトリックス・ラシックス・バイカロン - α1(アルファワン)遮断薬
カルデナリン・デタントール・バソメット・エブランチル - β(ベータ)遮断薬
テノーミン・メインテート・アドビオール・アセタノール - 中枢性交感神経抑制薬(中枢性α2アゴイニスト)
カタプレス・ワイテンス・アルドメット
血圧は環境の状況を知覚して自律神経でコントロールされ、自分ではどうすることもできません。
血圧を上昇させるのは、自律神経のうち交感神経と呼ばれる神経です。
交感神経とは、覚醒を高める神経作用があり、日中の脳内の思考などのパフォーマンスレベルを高めます。
覚醒が交感神経で、睡眠中は副交感神経と呼ばれる覚醒を抑制し、筋肉の弛緩を促していく神経作用が中心です。
しかし、睡眠時無呼吸症候群で無呼吸をきたすと、呼吸を促そうと心臓と肺は運動を増やします。
その結果、睡眠前から高まっていた副交感神経が抑制され、交感神経に切り替わります。
副交感神経と交感神経は覚醒と睡眠で神経がバランスを取っているのが崩れます。
睡眠中に無呼吸になるたびに交感神経が活性化されるため、日常から血圧が高くなるのです。
交感神経が活性化すると、自動的に心臓は収縮するようにシステム化されています。
心臓に負担をかけて収縮して血液量を増やすために、心拍数の増えます。
睡眠中は副交感神経で血圧が収縮期血圧は80以下が正常なのが睡眠中でも交感神経が活性化されると140近く上がるとされています。
循環器系に関わる血管の組織は副交感神経活性化で細胞の新陳代謝を高めます。
睡眠時無呼吸症候群で無呼吸になると、細胞の修復もできず、もろくなり、循環器系の病気に発展します。
睡眠中の無呼吸は循環器系の低酸素状態を作ります。
慢性的に低酸素となると、酸素運搬を増やそうと循環器系は無理に活性化するのです。
酸素が少ないと窒息する状態と変わりがありませんので、心拍数が常時高くなり、不整脈、頻脈などが自覚される場合もあります。
不整脈や頻脈は気持ち悪く、倒れそうで怖い感覚を認識するため、精神的な疲労をまねきます。
頻脈に関連する病気として、甲状腺の機能亢進があります。気になる方は、知らないうちに甲状腺ホルモンの働きに異常が!改善にはストレスフリーを目指すと甲状腺の病気の種類には3種類ある!ほぼ女性にかかる病気から原因を早期発見に書いています。また見ておいてください。
糖尿病
睡眠時無呼吸症候群で合併症を引き起こす病院で、糖尿病が挙げられます。
糖尿病とは、食物から摂取した炭水化物が分解され、ブドウ糖に変換された状態で血液から筋肉や肝臓に回せない病気です。
ブドウ糖に変換された血液内に糖質の量を表した数値を血糖値といいます。
血液の糖質が筋肉や肝臓に回されるには、膵臓から分泌されるインスリンが必要です。
このインスリンの分泌が不足すると、糖質が血液内の残ったままとなり、この状態を高血糖といいます。
糖質が長く血液内の滞留すると、糖質は分子が複合的でとても大きいので、血管に傷をつけてしまいます。
糖尿病が悪化するとよく起きるのが、軽症なら視力低下、重症なら失明するという視神経に関係する毛細血管が傷つけられる目の症状です。
糖尿病は2つのタイプがあって、Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病です。
Ⅰ型糖尿病は生まれつきインスリン分泌ができない遺伝子を持つ糖尿病。
Ⅱ型糖尿病は生まれた後の生活習慣の乱れで起こる糖尿病です。
糖尿病には二つの分類がある|インスリンが治療に必要か必要でないかの記事に2つの糖尿病の型を詳しく書いています。また見ておいてください。
あなたが血液検査で糖尿病の基準値である安静時血糖値やヘモグロビンA1cという項目が高いなら、睡眠時無呼吸症候群を疑ってください。
睡眠中に無酸素となり、交感神経が活性化されると、連動して膵臓に神経伝達されインスリン分泌が増えます。
覚醒が高くなるとエネルギーを組織に回すことになるため、インスリン分泌も増えるのです。
睡眠中に必要もないのにインスリン分泌が増え、インスリンが枯渇し不足します。
睡眠時無呼吸症候群は糖尿病の原因も作っているのです。
ここ最近筋肉が弱くなったり、筋肉の緊張が落ちて垂れてきていると感じる方は、インスリン分泌が不足し筋肉のエネルギー不足かもしれません。
糖尿病の検査をするとともに、睡眠時無呼吸症候群の疑いもかけるようにしてください。
脂質異常症
睡眠時無呼吸症候群は脂質異常症という病気の合併症を引き起こすことがあります。
脂質異常症とは、血液内に脂質の代謝がうまくいかず、脂質量が増える症状です。
脂質が血液内に滞留する時間が長いほど、血管に負担がかかります。
糖質が血液内に長く滞留する糖尿病も同じですが、脂質も血液内に長く存在すると、血管壁に脂質が沈着し血管の構造を壊していきます。
また血管壁に沈着した脂質が血液の通り道を塞ぐことになるため、血液の流れが悪くなります。
脂質を食事で摂りすぎると体脂肪が増え、体型が悪くなるだけでなく、この記事で再三書いている循環器系の病気をきたします。
ダイエットで脂質の摂取を減らせば、確かに体脂肪が減り体型も良くなりますが、脂質は人間の体内組織の栄養分となるので、最低限は摂取する必要があります。
脂質の血液内の状態には2つの種類があります。
「コレステロール」と「中性脂肪」です。
コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸などの原料になり、人の生命活動に欠かせません。
コレステロールには、悪玉と善玉があり、それぞれ「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」と言います。
中性脂肪は、分解されると遊離脂肪酸になり、血液内でエネルギーにしやすい小さな形になります。
中性脂肪はエネルギー効率がとても良いため身体活動をすればエネルギーとして活用されます。
ただし、中性脂肪が必要なエネルギー量以上に血液内に存在すると、余分な中性脂肪は脂肪として細胞の表面に蓄積されていきます。
あなたがおそれている皮下脂肪や内臓脂肪というおなじみの脂肪ですね。
脂質異常症は、30代ぐらいから始まっているとされ、睡眠時無呼吸症候群になるまでに身体につく脂肪量はやや多めである傾向があります。
脂質異常症の体質になり、そこから慢性化された状態で睡眠時無呼吸症候群によって合併症として重症化するのです。
脂質異常症で脂質のうち中性脂肪が分解された遊離脂肪酸の量が血液内で想定されるエネルギー以上に存在すると、糖質を肝臓や筋肉にエネルギーを回すインスリンの正常な分泌を妨げます。
コレステロールが血液内にエネルギー以上にあると、肝臓に運ばれ、脂肪肝として蓄積されます。
脂肪肝は肝臓機能低下となり、脂肪細胞は酸素を化合して酸化させ、炎症物質を生んでいきます。
このようになると、脂肪肝が慢性化すると、肝炎を引き起こし、いずれは肝硬変や肝臓がんに罹る(かかる)リスク大です。
睡眠時無呼吸症候群は、無酸素状態によって、副交感神経から交感神経に切り替わります。
すると、交感神経は覚醒を何度も上げるために、血圧上昇の神経伝達物質のノルアドレナリンが分泌されます。
ノルアドレナリンは覚醒作用からエネルギーを細胞に蓄積する遺伝子発現から起こります。
つまり、そのエネルギーとは脂質なのです。
それまで脂質の代謝が悪く体脂肪が30%近くあった女性が、睡眠時無呼吸症候群にかかり、体脂肪が急激に増えることはなかったのですが、筋肉量が低下した症例の女性を知っています。
人によっては脂質異常症に罹り、40%近くまで増えることもあるでしょうけど、脂質の血液内の上昇でインスリン分泌が低下したために、筋肉量が落ちたと推定できます。
インスリン分泌が不足するのは糖尿病です。
脂質異常症は脂質の代謝が悪くなります。
糖質も脂質も人が生きていくために欠かせないエネルギーです。
摂取と貯蔵がコンビネーションできないとエネルギー過多となり、さまざまな病気を引き起こす原因になります。
睡眠時無呼吸症候群は、これらのエネルギー問題を壊す合併症を引き起こすのですから、早いうちから修正させておいた方が良いですね。
急性大動脈解離・大動脈瘤
睡眠時無呼吸症候群でこれまで見てきた病気は慢性疾患でしたが、ここからは急性疾患で命にかかわる病気をご紹介します。
まずは、急性大動脈解離、大動脈瘤です。
急性大動脈解離は、心臓から全身に送るもっとも太い動脈を大動脈といいます。
この大動脈が、内膜といわれる血管の真ん中に亀裂が入り、そこに血液が侵入する病気が大動脈解離です。
大動脈解離とは
- 大動脈解離のほとんどの症例は高血圧によって動脈の壁が劣化して起こる
- 大動脈のうち胸部を通る胸部大動脈で大動脈解離のほとんどが起こる
- 痛みは胸に感じるか肩甲骨の内側に感じる場合もある
- 大動脈解離で上腸間膜動脈が塞がれると腹痛や腰痛が起こる
大動脈解離が心臓から近い部位で起きると、心不全が起き、命に支障が出てきます。
大動脈解離が睡眠時無呼吸症候群でかかるとは、とても怖くなってしまいます。
覚醒ある起きている間に無呼吸が出ると自覚できますので、治療を試みやすいです。
でも、睡眠中は意識が消えてる状態なので、自覚することがないので、治療のタイミングが遅くなってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群で大動脈解離が引き起こされる原因として、無酸素による酸素を取り込もうとする肺の拡張で心臓に陰圧がかかるからです。
水中でしか生きれない魚は水圧がえら呼吸の内圧を高めています。
内圧が水中の酸素をえら呼吸が捉えるのですが、空気中の陸上に上げると水圧がなくなり、えらが陰圧となります。
この状態で魚は酸素供給を失い、時間が経てば虚血となり、死に陥ります。
このように魚が陸上では呼吸ができなくなるのは、水圧という内圧がなくなり、陰圧となるためです。
人が睡眠時無呼吸症候群で大動脈解離を引き起こすのは、肺の拡張による心臓への陰圧のためなのです。
心臓に内圧が失われて心臓の運動が加速した後、心臓は機能を失い、心臓からの拍出量を失う。
これが心不全となるのです。
もう1つの、睡眠時無呼吸症候群で引き起こす循環器系の病気に大動脈瘤があります。
血圧の上昇によって、血管の壁がもろくなり、そこにコブ(瘤)ができる病気です。
血管が弱くなるのが原因ですが、高血圧により何度も強い圧がかかることで血管の壁の組織がもろくなっています。
コブが膨らんでいくとやがて破裂します。
コブは血液の塊なので、破裂すれば大出血となってしまい、命を失う危険性のある病気です。
大動脈瘤は、大動脈解離と同じメカニズムで起こります。
大動脈解離は、血管が避ける状態、大動脈瘤は血管が膨らむ状態です。
生活習慣の乱れで運動不足や栄養バランスの喪失、ストレスによる精神的圧迫などでもともと血管がもろくなっていました。
そこに睡眠時無呼吸症候群になり、合併症を生むわけです。
循環器系は合併症を起こすとそのまま死にいたる症例が多く発生します。
そのようにならないように、睡眠時無呼吸症候群をチェックすることが大切です。
睡眠時無呼吸症候群の改善させるパーソナルトレーニングを開発
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心房細動による脳梗塞
睡眠時無呼吸症候群の合併症で起こりやすい病気が、心房細動による脳梗塞です。
心臓には上下左右4つの部屋があります。
上にある部屋を心房といい、血液が入ってくる部屋、下にある部屋は心室といい、血液を送り出す部屋です。
心房と心室の間には血液が逆流しないように弁がついています。
血液を隣の部屋に送るときだけ、弁が開くような仕組みです。
上の部屋である右側の部屋である右心房には、洞結節と言われる部位があって、ここが心臓全体に電気信号を送ります。
洞結節で起こした電気信号によって心臓は収縮と拡張が行なわれます。
仕事をしていても、眠っていても、心臓は休まずに、血液を全身に送り出すことができるのです。
しかし、睡眠時無呼吸症候群で低酸素になると、肺の酸素と二酸化炭素の代謝がうまくいかなくなります。
適量の酸素を含まない血液はドロドロしています。
ドロドロした血液が心房に入ってきても、洞結節の反応が悪くなり、不整脈を起こすのです。
心臓の筋肉である心筋の収縮と拡張のリズムが乱れるのです。
不整脈などのような心筋のリズムの乱れを心房細動といいます。
心房細動が起きていると、心臓内での血液の流れのスピードが遅くなります。
その結果、血液が滞留し、心臓内でうっ血をします。
うっ血した血液は血栓となっていき、心臓から血栓ごと流れ、脳に到達するとその部位で血管が詰まります。
この状態を、心房細動による脳梗塞と言われます。
不整脈が検査で見つかり、医療で薬などの治療を受けている方はもちろん、不整脈と診断されてなくても、以前からストレス過多や喫煙、飲酒、夜更かしなどの生活習慣の乱れがある方も要注意の病気です。
不整脈が出ていないうちに、睡眠時無呼吸症候群のチェックをし、適切な睡眠に修正することをオススメします。
左心房には左心耳(さしんじ)と言われる袋があります。
心房細動によって血液のスピードが遅くなると、この左心耳に血液が溜まります。
左心耳で血栓となって、心臓から全身に流れ、脳で脳梗塞を引き起こすことが多いです。
血液検査で赤血球の数値が高いと出ていたら、不整脈が起きていると示唆できます。
低酸素になると、酸素量を増やすために赤血球を上昇させ、対応する作用があるからです。
健康診断で赤血球が異常値でないとしても、正常値より高めなら、睡眠時無呼吸症候群を疑ってみるようにしましょう。
脳梗塞の約15%が心房細動が原因で起きています。
高血圧、慢性心不全、糖尿病、75歳以上の方に起こりやすいので、この部分に該当するのであれば、睡眠時無呼吸症候群を見直すことが良いでしょう。
心筋梗塞・狭心症
睡眠時無呼吸症候群の合併症で多い病気として、心筋梗塞、狭心症が挙げられます。
心臓は全身の細胞に酸素と栄養を運ぶためにどんな状況においても、収縮と拡張を繰り返しています。
1日で心臓は約10万回もの収縮と拡張を繰り返している素晴らしい生命システムです。
絶え間なく心臓の運動が起きるのが生命維持の条件なので、心臓そのものに栄養を送れるような保護構造があるのです。
心臓に栄養を送れるような独立した血管が備わっています。
このような血管を冠状動脈といい、大動脈の根元から流れ、左右一対あって、心臓の周りを囲むように付いています。
この心臓を独立して保護する構造が動脈硬化などによって狭くなったり、詰まったりする病気を心筋梗塞、狭心症といいます。
心筋梗塞や狭心症は低酸素で起こるので、これらを虚血性心疾患といいます。
狭心症は、冠状動脈が狭くなって血液の流れが悪くなり、心筋に必要な血液が低下する状態です。
胸に痛みが発生し、症状は一時的で長くても10分ぐらいすれば収まります。
みぞおちが痛い原因で考えられる病気とは?精神的ストレスからも痛みが出てくるの記事では、みぞおち付近に現れる病気を紹介をしています。狭心症を詳しく書いています。また見ておいてくださいね。
狭心症が出ているなら、適切な対処しないと、心筋梗塞に発展する症例が多く見られます。
冠状動脈が狭くなり、血液の流れが悪いので、血管内に血栓ができやすくなっています。
動脈硬化が徐々に進み、血管内のプラークが蓄積されます。
プラークとは、血管が硬くなり、血管組織の柔軟性が失われた状態で、コレステロールが血管内に入り込む状態です。
プラークの蓄積が増えてくると、冠状動脈が完全に詰まってしまい、心筋梗塞となるのです。
睡眠時無呼吸症候群でも動脈硬化が進行しますし、生活習慣の乱れで動脈硬化が進行し、そこに睡眠時無呼吸症候群が起きて、合併症をきたす場合もあります。
平均的に睡眠時間は6〜7時間ありますので、その間に無酸素や低酸素になることは絶対に良くないですよね。
循環器系の検査で狭心症が見つかっていたら気をつけますが、そのような症状がなければ意識しないですよね。
まして睡眠時無呼吸症候群で動脈硬化が起こるとは、誰もが予想つかないものですので、気をつけようがありません。
身体にとって最適な睡眠を取ることが、人生のパフォーマンスを高め、かつ生命を脅かす循環器系の病気を守れるのです。
睡眠時無呼吸症候群を改善がいかに大切かというのがよく分かりますよね。
脳卒中
睡眠時無呼吸症候群の合併症で引き起こす病気に、脳卒中があります。
脳卒中には、脳内の血管のトラブルである血管の出血である脳出血、血管に梗塞が起きる脳梗塞などです。
脳卒中とは
- 脳出血
- 脳梗塞
- くも膜下出血
睡眠時無呼吸症候群で脳卒中にかかる前提として、高血圧をきたし、そこに睡眠時の無酸素が合併症を促進させています。
血管の壁がもろくなり、コレステロールが沈着して血管が詰まるという状態が水面下で進み、睡眠時無呼吸症候群でさらに進行させるのです。
睡眠がまさか脳卒中に及ぶなどとは、かかった方でも睡眠とは結びつかないものです。
価値観多様化の時代を迎え、自由に生きることが許されつつある今日、自分で責任を持って生きなければいけません。
ただこれまでの日本は右にならえの精神で、誰かがやっている同じ生き方を真似ておけばそれなりに生きていけました。
今はそれができなくなったため、新たなストレスが環境内に生まれまつつあります。
ストレスによってストレスから高血圧や脂質異常症になり、食生活が乱れる。
スマホを寝る前まで見て、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が不足し熟睡できないなどが起こります。
睡眠時無呼吸症候群は89%の方がかかっていると思っても違和感ない時代だと思っています。
脳卒中にかかってからでは、運動障害や感覚障害、脳障害の部位によっては高次脳機能障害が出る症例もあります。
高次脳機能障害が出ると認知機能に問題が出て、日常生活を遂行できなくなります。
そのようにならないためにも、睡眠時無呼吸症候群でないかを見つめる必要があります。
感染症
睡眠時無呼吸症候群で起きる合併症で、感染症があります。
睡眠中の無酸素、低酸素によって、酸素低下から白血球の増加が見られます。
ウイルスや細菌が外界から侵入していないのに、白血球が血液内に増えると、自己免疫力が低下します。
白血球は外敵に対する攻撃をする免疫物質。
外敵がないのに、体内で白血球が増えると遺伝子を壊し、体内のタンパク質を再合成し、偽装の抗体を作ると医学的に分かっています。
これが、自己免疫不全といい、関節リウマチ、膠原病(こうげんびょう)などをいいます。
自己免疫不全になると、実際に空気中に何万の細菌やウイルスが存在しますので、それらが体内に侵入すると、免疫不全になっているので、撃退できにくい状態なのです。
日本人の死因の第5位は肺炎によるものです。
空気中や物についた細菌に感染しやすい状態を、易感染症といいます。
それほど強くない細菌に感染することを日和見感染と言っています。
体内に侵入した細菌やウイルスは通常喉にある扁桃や上咽頭で免疫の力でブロックできるのです。
睡眠時無呼吸症候群で酸素不足になっていると、免疫不全になり、ブロックされず、肺に達し、肺胞に細菌やウイルスが寄生します。
慢性的な炎症が起こり、肺胞が細胞死、呼吸が低下し、いずれ呼吸不全で死を迎えることも出てきます。
2020年前半に中国から発生した新型コロナウイルスもそうですが、ウイルスも人体に寄生しては体外に出て、強くなっていきます。
これからウイルスがどれだけ発生するかは未知の世界。
だけど、もっと脅威なるウイルスが発生する可能性がかなり高いと思われます。
そのためにも睡眠時無呼吸症候群を改善し、睡眠を良好にする心がけがマストです。
まとめ:睡眠時無呼吸症候群が引き起こす合併症は循環器系の病気
この記事では、睡眠時無呼吸症候群で引き起こす合併症の病気をご紹介しました。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 急性大動脈解離・大動脈溜
- 心房細動による脳梗塞
- 心筋梗塞・狭心症
- 脳卒中
- 感染症
です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症は慢性疾患です。
急性大動脈解離、大動脈溜、心房細動による脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、感染症は急性疾患で死にいたる場合もあります。
どちらにしても、健康を失い、病気を脅かす病気です。
これらが睡眠時無呼吸症候群で合併症になりやすい病気。
あなたの睡眠は快適ですか?
不眠という自覚があればまだ自分で認識できますが、自覚なく睡眠時無呼吸症候群のケースが多々あります。
睡眠時無呼吸症候群を改善すると、上記の病気から健康を守れるだけでなく、日常生活の身体の軽さ、心のワクワクさ加減は経験すると、今まで人生をロスしてたと後悔してしまうほど変わります。
ぜひこの機会に、あなたの睡眠を見直し、修正させてあげる時間を作ってみてくださいね。