睡眠 睡眠リズム

生物時計は人間の睡眠を取りやすい体内環境を作る|すべて内因性リズムで持続

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生物時計は人間の睡眠を取りやすい体内環境を作る

毎日自然に行なわれている睡眠について考えてみました。最近朝起きてもスッキリしないのでもっと快適な睡眠が取りたいなと思っています。睡眠は人間にとってどのような仕組みで取るのかが知りたいと思いました。ある雑誌で見た睡眠に関する話で、人間には他の生物にはない独自の生物時計があるらしい。人間だけに備わっている生物時計とはどのような仕組みですか?教えてもらいたいです。

この記事では、あなたが知りたいと思っている「生物時計と人間の睡眠」を詳しく分かりやすく書いてます。

私は睡眠を専門に21年間パーソナルトレーニングを実施するトレーナーのtakです。
睡眠の最新情報を常に探し、自分のパーソナルトレーニングに応用しています。

2020年までの世界中の人々が理解する世界観はポジティブに心身ともに意識的に健全にし、人生をよりよくするものが中心でした。そのような意識は意識できない部分で制御されているのが脳科学の発展で分かってきたのです。
それが睡眠です。

毎日自然に行なわれている人間の睡眠はどのように体内で行なわれているのかが知りたいですよね。

睡眠が大切だとはあなたもこれまでいくらか考えることはたくさんありましたよね。
なぜならあなた自身、睡眠が不足すると次の日の体調は悪くなり、人生のパフォーマンスが低下した経験がありました。

しかし、睡眠をいくら意識的取って、日中に快適な自分自身でいようとしても睡眠はあなたの生体内にもともと持っている生物時計に依存しているので、睡眠を思い通りに操作できないのです。

この記事では、人間の睡眠を絶妙に調整している生体内のある生物時計を追いかけてみていきます。

睡眠が人間の体内で行なわれる仕組みが分かると自然に1日の過ごし方が分かってきて、毎日快適な睡眠を取れてきます。

私は21年独学で脳科学と神経生理学を研究し研鑽してきました。
あなたの脳内にインプットしやすい文章構成で書いていますので、最後までストレスなく理解できますよ。

この記事を読んで分かること

  • 人間の睡眠は生物時計で調整されている
  • 生物時計は脳内と末梢の細胞に存在する
  • 生物時計は朝太陽の光に同調するリズム調整をしている

人間の睡眠は生体内に存在する生物時計で行なわれている

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人間の睡眠は脳内の生物時計で制御

人間の1日の生活習慣の流れでは、1日が終わる夜のだいたい21時以降に多くの人は眠気を感じ、そして眠っていくモードに環境を整え、そのまま睡眠を取っていきます。

睡眠を取りたくなる眠気は、夜が来たから睡眠を取りたいと思うのでも、毎日23時ぐらいに睡眠に入るから睡眠を取りたいと思うのでもありません。

あなたが毎日行なっている睡眠は、生体内の生物時計で微調整されているのです。

あなたの部屋にもある現在時刻を知らせるあの時計。
秒針が1秒1秒をカタカタと時を刻んでいるあの部屋の時計。

睡眠に導入する生体内の生物時計は、明確に細かい時刻を知らせる部屋の時計のように1秒ごとに知らせるリズムではなく、1日を単位とするもっと大きな範囲の時間空間のマクロな部分を調整してくれている時計なのです。

あなたを含め人間はみんな睡眠をスッキリ取りたいと思っていますが、睡眠を意識して睡眠を取ったとしても睡眠はスムーズに改善できません。

睡眠は自分の意思で行えません。
生体内の生物時計が睡眠の時刻を1日を単位で決めているからです。
あなたがスッキリ眠れないとしたら、生物時計にズレが生じ、適切な時間に睡眠に入っていないのです。

生物時計は、1日を単位をする生体内のリズムを整えてくれます。
1日いうと、睡眠だけではありません。睡眠と相反するのは覚醒。

睡眠があなたに合ったリズムで行なえるためには覚醒のリズムがあなたに合った生体内のリズムを作っておく事です。
そして反対にも言えるのですが、覚醒をあなたに合ったリズムで行えるには睡眠が十分に取れていないと覚醒は維持できません。

このような睡眠と覚醒のリズムを作ってくれるのが生物時計です。

生物時計を地球環境に合わせてあげると、睡眠と覚醒は休息と活動という二面性の機能性を最大にしていけます。
では、生物時計を知ってもらうために、人間以外にも生物時計が機能するのか、または他の生物にも存在するのかを見ていきます。

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生物時計とは人間以外の生物にもすべて存在

生物時計は人間以外のすべての生物の生体内に存在しています。
つまり、地球環境内で生命維持をする生物にはすべて生物時計が生体内にあって、1日を最小単位に調整し、1ヶ月や1年、あと四季の変化のあるエリアに生きている生物は、季節の変化に応じた生物時計を持っています。

1日のうちでは朝があれば昼もあります。
夕方もあれば夜もある。そして深夜、真夜中まであります。
それぞれの時間帯では空気の流れや性質はまったく違っています。
生物時計は、それぞれの時間帯に合った外界の状況を受け入れやすい身体にしてくれています。

生物時計は、地球環境に生きているすべての生物が地球の時間の1日24時間、昼夜の切り替えを知覚して調整する細胞同士のリズム運動です。

私たち人間以外の同じ種の哺乳類をはじめ、水中に生きる魚、微生物のバクテリアまで地球環境に住むすべての生物に備わっている生体システムです。

つまり、あなたの睡眠は、生物時計が機能しているので、あなたの意志はまったく関わらず、ほぼ無意識に眠気を感じ、脳内の神経活動を抑制し覚醒系から睡眠に切り替えて、睡眠に入るのです。

睡眠はあなたの意志で行なうのではなく、24時間リズムを地球環境から知覚される生物時計によって無意識のうちにリズム運動をしています。

今では科学の発展により生物時計が地球環境内で生きているすべての生物に備わっているのは当たり前に理解することができます。

自然に夜になれば眠気を感じて睡眠を取るという行為の中で、生物時計が私たちの体内に備わっている事をどのように気づいたのでしょうか?

生物時計の存在は、過去に人間の睡眠と覚醒に関して疑問を持ち、仮説を立て検証した研究者によって真相が見えるようになりました。

生物時計の存在に疑問を持ち、仮説を立てた科学者がいます。
フランスの科学者、ドゥメラン(Jean-Jacquesd'Ortous de Mairan)。
ドゥメランが植物のオジギソウを用いて行った実験です。

オジギソウは草花で、ドゥメランは窓際に置いたオジギソウの葉が太陽が出ている日中に開き、夜には葉を閉じているのを疑問に思い、観察をし始めました。

ドゥメランは、ひょっとすると葉は太陽に反応して開いたり閉じたりしているのではないだろうか?と考えたのです。

では、この疑問を証明するには、どうすれば良いのでしょうか?

オジギソウを太陽の光が当たらない1日中暗闇の中に置いておくと、葉が太陽に反応しているかが分かります。
太陽の光に反応して葉が開いているのなら、暗闇に置いたオジギソウは葉は開かないはずですよね。

そして、ドゥメランは太陽の届かない暗所にオジギソウを起きました。
太陽の光に葉が反応し開いている仮説が適切なら、暗所では葉が開かないはずです。
しかし、オジギソウは暗所でもいつものように太陽の光が葉に当たっているときと同じように葉を開き、夜になると葉を閉じたのでした。

つまり、太陽の光に反応して葉を開いたのではなく、オジギソウに備わっている昼夜を知覚するリズムが葉を開いたり閉じたりしているのです。

このようなオジギソウの観察により、人間が毎日夜に行なっている睡眠は太陽の光とは独立した生体リズムが睡眠を実現させているという仮説に繋がりました。

人間やバクテリア、オジギソウなどの植物に内在されている生体リズムは、地球の自然運動である自転と太陽の位置の関係で昼夜の変化を知覚する生物時計が、24時間を作り出しているのが分かってきました。

私たちは地球環境が存在してから誕生しています。
地球環境を構成する化学成分でできた火山と海があって、それらが特に融合することなく、地球環境内でただ存在していました。融合がないと、化学成分は合成しないため、今の地球環境のような生物はいなかったのです。

ある日、宇宙空間にビックバンが起きて、地球環境内の内圧が大きくなり火山の爆発が起こりました。

火山から高熱の溶岩が海に流れ出し、海の中のナトリウムイオンにカルシウムイオンが結合して無機質な生物ができたのです。

生物が誕生しなかった頃から、地球環境では24時間リズムを1日にしていました。

地球環境で誕生した人間は、地球環境に合った細胞リズムで生物時計によって24時間を知覚します。
地球の自転のスピードが1日で24時間であると地球上で生きる人間に理解されたのは、西洋では紀元前(BC)250年頃。
日本では日本で描かれた書物で時刻を数字で書くようになったのは、明治以降。

今では1日24時間で今何時かどうかの時刻は時計を見れば分かりますよね。
時刻を数字で現わしていない頃は、太陽の位置で今の時刻を推測し、その時間の流れから睡眠、覚醒リズムを体内知覚で知り、1日のリズムを作っていたのですよね。

夜に眠気が出て睡眠に入るのは、光の加減よりもともと持っていた生物時計が睡眠と覚醒の切り替えを行なっていました。

人間などの生物なら生物時計によって睡眠に入ることは感覚的に分かりそうですよね。
人間に備わっている生物時計の存在を最初に知ったのは、オジギソウという植物からだったのです。

ポイント

地球環境で生存できるように備わったのが生物時計。生物時計が24時間を知覚し全身にリズムを作ることで、睡眠中に成長ホルモンを促し、細胞の休息、修復、学習を行なわせ、生命を維持させています。生物時計が破綻すれば、細胞の死を現します。つまり、生物時計は生存競争に勝ち抜くための生物と植物は獲得したと考えられます。

生物時計を理解してもらうために、生物時計が破綻する疾患や症状を見てみましょう。

その1つがうつ病です。

精神的な病気であるうつ病は昼夜が逆転した生活習慣を取るケースが多く見られます。
うつ病はセロトニン分泌が不足して発症しますが、セロトニンは覚醒系の神経伝達物質。
セロトニンが不足して、睡眠覚醒リズムが崩れ、生物時計が24時間でリセットされなくなります。

その結果、生物時計は朝に光を知覚する朝の時刻に目覚めさせず、太陽の光が高くなった午後に目覚めさせたりします。朝の光で覚醒系はスイッチを入れ、睡眠を抑制してシャキッと起きることができますが、うつ病をきたすとできなくなるのです。

うつ病のかかると、社会生活が困難になってくるのは、生物時計が破綻し、1日を24時間から30時間ぐらいまで延長させます。

うつ病を詳しく書いた記事は、うつ病で朝動けない40代女性の改善には朝イチのセロトニン神経の活性化誰でもかかりやすいうつ病の診断の基準|あなたはどのうつ病にはてはまる?の2つです。また見ておいてくださいね。

地球環境に生きるには、生物時計を維持させ、睡眠を十分に取らないと生存競争に勝てなくなります。

生物時計の破綻で違う病態として言えるのは、認知症です。
認知症が生物時計の破綻を現わしている症状は、夜間に覚醒し部屋内を徘徊する行動です。
生物時計は夜は睡眠に導く生体リズムを取るのに、認知症ではその基本的な細胞の運動ができなくなっています。

睡眠薬を長期で服用すると認知症をきたす症例が報告されています。
睡眠薬で認知症になりやすい内容で書いた記事が、睡眠薬の副作用で認知症が絶対的に!内科で簡単に処方されていた薬が超危険です。

睡眠薬の種類や効果を書いた記事は、あなたにでも分かる不眠を改善する睡眠薬の種類|医師とあなたが共有しておこう覚醒系が興奮し過ぎ!睡眠薬の作用は神経活動の抑制で心地よい眠りを作る

認知症をきたすと、社会活動は難しくなり、生存競争から離脱していきます。

人間は人生の時間を通して生物時計を維持させる事が人生の時間での社会活動を実現させて精神的な充実感を得て、幸福を得るのです。

そのために人間の生体内で制御されている睡眠と覚醒と生物時計との関係性を知ることが、人生での心のコンディショニングさせる唯一の方法なのです。

全身に広がる末梢の生物時計を脳内の生物時計で統合する

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全身に広がる末梢の生物時計を脳内で統合

前章で書いてきましたように、睡眠を自然に夜間に導入するのは、地球環境内で生物が獲得した生物時計の機能です。

では、次なる段階として人間の生物時計は生体内のどの部位に存在しているのでしょうか?の疑問に入っていきます。

人間の生物時計は、中枢では視交叉上核と言われる部位にあります。

  • 中枢:脳と脊髄
  • 末梢:中枢から出る神経系(脳神経・脊髄神経・自律神経)

視交叉上核とは、脳内のどの部位にあるのでしょうか?
視交叉とは、視神経が中枢に神経線維を伸ばした左右に交叉するところがあります。
その部位を視交叉といい、右目から入ってきた外界情報は視交叉から左側の神経線維を伝達して、視床に届き、最終的に大脳皮質後頭葉の視覚野に収束します。

この視交叉のやや上の部位が視床下部の上核と言われる部位になります。
この部位に人間の生物時計が存在しています。

構造的に視交叉上核に生物時計が存在するのは、理由があります。
24時間リズムを知覚するのは、昼夜の変化ですので、その違いは太陽の光の有無。
太陽の光に1番最初に光情報が集まってくるのが視交叉上核です。

中枢の生物時計は視交叉上核です。
1980年頃まで、人間の生物時計は中枢の視交叉上核だけと理解されていました。
生物時計は視交叉上核のみで睡眠と覚醒をコントロールし、リズムを作っていると考えられていました。

2000年以降では、睡眠科学の研究によって中枢以外に末梢の全身の細胞にも生物時計が存在するのが分かってきました。

睡眠科学の研究で分かっている末梢の細胞の生物時計は、視交叉上核以外の脳の部位、肝臓、骨格筋です。
おそらく、全身の1つ1つの細胞にも生物時計は存在しているのではと私は考えています。
これからの睡眠科学の研究分野で研究に使用される光刺激が細胞の分子でどこまで影響を与えているかが分かれば、細かい細胞にも生物時計の存在が分かってくると思われます。

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末梢の生物時計を中枢の視交叉上核が調整する

視交叉上核は、視神経が中枢に入っていく神経線維が2つに分かれて視床と言われる感覚の中枢に入る手前にあります。
この部位は視床下部と言われる自律神経を調整する部位で、視交叉上核ではかなり精巧な神経システムで、自分の意識をしなくても1日24時間で生理機能やホルモンなどをコントロールしてくれています。

視交叉上核でコントロールされているリズムをサーカディアンリズムや概日リズムと言われる毎日を24時間にリセットさせるシステムで、全身の機能を維持する働きを持っています。

視交叉上核で睡眠を取る時間は調整され決定します。

どのように睡眠に導入するきっかけを作っているのでしょうか?

睡眠には、2つの働きによって毎日だいたい同じ時間で睡眠に導入できるようにリズムを持っています。

睡眠に導く2つの働きを見ていきましょう。

1つは、恒常性維持機構(ホメオスタシス)、2つ目が生物時計機構です。

  1. 恒常性維持機構(ホメオスタシス)
  2. 生物時計機構

この2つのシステムによってあなたの睡眠は今日の夜も行なわれ、脳や身体を休息、貯蔵された情報の整理と処理をし明日の活動に備えます。

恒常性維持機構は、ホメオスタシスと言われるホルモン調整によって全身に睡眠モードを知らせ、睡眠に合ったトーンにしていく機能です。

恒常性維持機構は体内砂時計です。
砂時計は砂がいっぱいになって裏返せば次の砂が落ちていきますが、そのように覚醒中に睡眠に関係する体内物質がいっぱいになると、睡眠に切り替わる仕組みです。

日中起きている時間の覚醒系の神経活動で睡眠に関係するホルモンの分泌量の蓄積されていきます。
睡眠に関連する体内物質がいっぱいになると、睡眠覚醒リズムの切り替えを恒常性維持機構が制御し、睡眠へとスイッチするのです。

睡眠に入るための睡眠に関わるホルモン物質は、覚醒中の神経活動の高さに伴い、その量の上限下限ありますが、蓄積されます。

覚醒中に蓄積される睡眠物質には何種類かあります。
最初に挙げるのが、睡眠中の深い睡眠の徐波パワーと言われるデルタパワーです。

このデルタパワーは覚醒時に覚醒系の神経活動が行なわれて蓄積されます。
徐波睡眠であるノンレム睡眠のステージに睡眠が入ると、日中に蓄積されたデルタパワーが活用されます。

日中に活動量が少なくて、家でじっとしているのなら、覚醒系の神経活動が少なくなり、デルタパワーの小さくなります。

日中の活動のエネルギーが神経活動に行なわれる量が小さければ、デルタパワーが徐波睡眠中に出てこないので、それだけノンレム睡眠の質が弱くなります。

よって、夜間に睡眠を取っても浅い睡眠のノンレム睡眠からその後の深いノンレム睡眠、レム睡眠が入れなくなるので、不眠症を抱えたり、次の日の覚醒が弱くスッキリしない状態になります。

あと睡眠の関係するホルモン物質は、プロスタグランジンD2アデノシンがあります。

プロスタグランジンは、生体内で細胞膜を構成するリン脂質からホスホリパーゼA2などの働きから分解された脂肪酸を基質として、さまざまな酵素によって生合成されます。

アラキドン酸と言われる脂肪酸で作られたアミノ酸があります。
アラキドン酸は体内で合成されない必須アミノ酸の1つ。
アラキドン酸でできた脂肪を代謝させ生まれる産物がプロスタグランジンです。

プロスタグランジンの中でも覚醒時に蓄積されるのはプロスタグランジンD2です。
覚醒系の神経活動がプロスタグランジンD2を生み出す最低限の閾値を超えると生体内に蓄積され、夜間の睡眠へと繋がっていきます。

プロスタグランジンD2は、神経活動を覚醒させ、脳内を活動させて発生する疲労物質と考えてもらえると分かりやすいです。
免疫系に関わるプロスタグランジンは、細胞を活動させると生まれる副産物。
プロスタグランジンD2の蓄積が、疲労物質を除去しようといる生体メカニズムによって覚醒から睡眠に切り替わっていきます。

睡眠物質にアデノシンと言われる物質があります。
アデノシンは1950年代から発見されている睡眠科学ではおなじみに睡眠系物質。

覚醒中に神経活動レベルの閾値が基準以上あると、アデノシンは脳内に蓄積され、量が増えると夜間の睡眠に入ることができます。

アデノシンはヌクレオシド類で、前脳基底部にアデノシンA1、A2と言われるアデノシンに反応する受容体が存在します。

ネコを使った動物実験では、生物時計が睡眠期を迎える時間に6時間以上の断眠(だんみん)を行なったところ、脳内のアデノシン遊離量が断眠時間が長くなるほど比例して徐々に増加しました。

そして、断眠を終了すると、アデノシン遊離量は減っていきました。

あとアデノシン受容体A1をブロックするA1アンタゴニスト(CPTと言います)を投与すると、覚醒が促通された結果が出たのです。

このような結果から、覚醒時に蓄積されるアデノシンが睡眠の導入に繋がっています。

プロスタグランジンD2とアデノシン共に、覚醒時に適切な覚醒系の神経活動が行なわれない産生しません。

恒常性維持機構(ホメオスタシス)は、日中の生活の仕方に依存します。
1日仕事などの社会活動によって覚醒系の神経活動が行なわれると、プロスタグランジンD2とアデノシンのような睡眠物質の蓄積で、自然睡眠ができます。

ストレスや自己イメージの喪失などによる自己不信があれば、覚醒系が抑制された日中の過ごし方となります。
このような生活環境内の要素から睡眠が取れないという状態に陥っていきます。

睡眠物質の蓄積は、適度な運動を日中に取り入れるのも1つの方法です。
運動は覚醒系にスイッチを入れます
姿勢コントロールを知覚させる運動アプローチによって体幹の筋肉の活動を高めると、体幹は脳幹網様体の橋(きょう)と延髄(えんずい)でインプットされ、上位の脳細胞に神経活動を行ないます。

運動は運動でも姿勢や体幹を知覚させるような運動内容にすると、睡眠物質のプロスタグランジンD2とアデノシンが産生され、蓄積でき、夜間の自然睡眠に繋がります。

運動をすると、寝付きがいいという方がいらっしゃいますが、この反応は覚醒系を高めることで産生するプロスタグランジンD2とアデノシンだったのです。

睡眠を行なうもう1つの働きは、生物時計機構です。
この記事の主題は、生物時計についてです。
生物時計機構があなたを覚醒から睡眠への切り替えを行ないます。

生物時計時計機構は、前述しましたが、視床下部の視交叉上核に中枢の時計が存在しています。
生物時計の優れたところは、地球の自転に合わせて24時間のリズムを作ることです。
生物時計が視交叉上核で24時間を単位にする時間間隔を発振しています。
時計の音は聞こえませんが、時計の針のようにリズムを発振します。

恒常性維持機構では、覚醒時の生活習慣が関連していました。
覚醒時に神経活動が少ない生活をしていたら、睡眠物質が蓄積されないため、睡眠の導入ができにくくなります。

それに対して生物時計機構は、24時間リズムを自律的に作ってますので、あなたを自然睡眠に導いてくれます。
生物時計機構が行なう24時間リズムには、地球環境に合った睡眠覚醒リズム、体温調整、血圧のコントロール、ホルモン分泌までも24時間の概日リズムを発振しています。

生物時計機構が行なう全身の機能

  • 睡眠覚醒リズム
  • 体温調整
  • 血圧のコントロール
  • ホルモン分泌

参考

2017年のノーベル医学・生理学賞が生物時計の振動メカニズムを解明した米国の3名の研究者らが受賞しています。

  • メイン大学のジェフェリー・ホール博士
  • ブランダイス大学のマイケル・ロスバッシュ博士
  • ロックフェラー大学のマイケル・ヤング博士

睡眠に関わる生物時計がこのような賞を受賞することからも睡眠における生物時計の重要性がよく分かりますね。

生物時計がシステムとして発振した24時間リズムは、中枢器官を統一した運動ができます。
お昼前になれば、血圧を上昇させ、同時に心拍数も上げます。
外界の変化に関係なく生物時計が発振したリズムとなっています。

外界の影響を受けずに内因性リズムだけで24時間リズムを発振するのが生物時計の利点です。
その分、血圧が上昇するリズムが発振される時間帯に職場でストレスがあると、血圧はもっと上昇することになります。

医療関係者や私のようなパーソナルトレーナーは24時間リズムを発振する生物時計を特徴を知ってお客さまの体調に寄り添ってあげる必要があります。

生物時計機構は遺伝子作用で全身の概日リズムを作っている

生物時計が発振する生体リズムは、最適な体内環境が睡眠と覚醒のために作られています。
人間という生物の生体内がスムーズに神経活動やホルモンバランスを取るために生物時計は貢献しています。

生物時計機構は、暗所で太陽の光が分からない環境で過ごしても、そこに影響されずに24時間で同じリズムが行なわれます。

生物時計機構で制御される人間の生体リズムは外部環境にすべてを依存させない内因性リズムなのです。

暗所の環境でも生体リズムが乱れない事で分かるように、外部環境に影響はされませんが、内因性リズムのシグナルは外部環境の変化を予測しています。

このような生物時計の機能は、長い地球環境で生きてきて獲得した遺伝子作用によるものです。
よってあなたが母体内の子宮空間でも遺伝子作用によって生物時計機構が働いていました。

だいたい妊娠30週に視神経細胞の発達が先行して見られ、この時期から生物時計機構が働いています。
この世に誕生するときには、地球環境で生きていける十分な生物時計機構を中枢と末梢器官で機能させています。

この章では生物時計が発振する24時間の概日リズムの中枢と末梢の働きを具体的に解説していきます。

人間は昼行性動物に分類され、日中に覚醒が高くなって、深部体温が高く、血圧の上昇、心拍数が増えます。
人間は夜になると、血圧は下がり、メラトニンを松果体から分泌し、覚醒を抑制し、睡眠に入る準備をします。

睡眠に入ると最初の睡眠ステージの浅い睡眠で成長ホルモンの分泌量が最大値となります。
睡眠が導入されてすぐに行なわれるのが、成長ホルモンによる細胞の修復と成長なのです。

明け方を迎えると副腎皮質ホルモンからコルチゾールと言われるストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールは、日中ではあなたが生きている環境内でストレスを知覚すると、分泌量を増やし、ストレスから細胞を守るホルモンです。

コルチゾールには、低血糖を防ぎ、血糖値を下がり過ぎないように高くする働きがあり、目覚めた後の覚醒時の準備をしています。

明け方は昨日摂取した栄養が睡眠が長くなるほど時間経過をしているので、低血糖のなるのを防いでいます。

他にも自然分娩がしやすい時刻やぜんそくが出やすい時刻などもあり、これらの働きも生物時計機構から発振される機能なのです。

生物時計が刻む24時間リズム

  • 6時〜12時
    コルチゾール最大値
    メラトニン分泌終了
    血圧のモーニングサージ
    覚醒時レベル最高値
    血中尿酸最高
  • 12時〜18時
    血中コレステロール最大
    体調がベストの状態
    反応速度が最速
    アドレナリン最高値
  • 18時〜24時
    深部体温の最高値
    運動パフォーマンスが最大
    脳出血リスク最大
    メラトニン分泌スタート
  • 24時〜6時
    自然分娩開始
    成長ホルモンの分泌量が最高
    深部体温の最低値
    ぜんそく発作

これらの時間によって決まっている生体内の働きは生物時計が外部環境の変化を予測し、これらは遺伝子作用によるレベルです。

生物時計は外部環境の周期的変化に生理機能が反応した結果である外因性リズム(マスキング)ではありません。
すべては生物時計は遺伝子から得た情報に基づいた内因性リズムです。
だから、外界の変化にも遺伝子が予測したパターンを持つため、すぐに反応ができるのですね。

そして人間が持っている生物時計機構に関わる遺伝子は時計遺伝子と言われます。
生物時計を主担当する遺伝子が時計遺伝子なのです。

生物時計を構造にする時計遺伝子は人間の生体内に20個ある

生物時計を主担当する時計遺伝子は人間の生体内に20個発見されています。

生物時計が一定の同じ時刻に行なわれる前述した自律的な生理機能を行なうのは、生物時計を制御する遺伝子の転写と翻訳が行なわれて、フィードバック作用をしています。

この時計遺伝子は、先ほどご紹介したノーベル賞に受賞した米国の3人の研究者が独自に研究して発見したperiod(ピリオド)です。

その後、ピリオドをはじめ、その次に発見されたピリオド2、クリプトクロームやビーマル1など次々と生物時計を制御する遺伝子が発見されました。

時計遺伝子によって生体リズムが24時間に調整できる仕組みは、タンパク質合成の設計図にあります。

時計遺伝子は、遺伝子からタンパク質を合成し、タンパク質の量が増えると自身で抑制するシステムです。
時計遺伝子は他のエリアから分泌する神経性か液性に頼らず、自身で量を増減させることができます。
このような自身でタンパク質の合成を増減できるシステムをフィードバック作用といいます。

時計遺伝子から作られる時計タンパク質を合成します。
この合成を転写といい、抑制遺伝子に届けられ、その内部で分解され、mRNAというタンパク質合成の設計図を作り出します。

mRNAが細胞外に出されると、翻訳という作用を行ない、タンパク質に合成されます。
タンパク質が細胞外で一定数蓄積されると、今度は自身のタンパク質合成を抑制させます。
遺伝子を最初に転写された部位にフィードバック作用が起こり、そこで転写がストップします。

このようなフィードバックが行なわれている遺伝子には時計生物学では名前が付いています。

  • 抑制遺伝子(Period遺伝子・Cryptochrome遺伝子)
  • 転写促進領域(E-box)
  • 促進遺伝子(Bmaill遺伝子・Clock遺伝子

遺伝子が転写されて製造されたmRNA。
mRNAが翻訳されると、タンパク質合成に必要なアミノ酸が生まれます。
mRNAは細胞の核から外に出て、その情報はタンパク質の基礎分子のアミノ酸に翻訳。
24時間セットする情報を持つアミノ酸が連結したタンパク質が合成されます。

この転写、アミノ酸が連結されたタンパク質の合成、転写の抑制にかかる時間が24時間です。

この一連の流れである転写と翻訳が24時間のうちに完了し、毎日欠かさず行なわれているので24時間のリズムが維持できています。遺伝子は生命システムが維持され続ける間、遺伝子の転写と翻訳をやり続けるわけですから、お見事ですよね。

時計生物学では、時計遺伝子を変異か欠損させた動物での反応を見た研究報告があります。

時計遺伝子の変異や欠損した動物は、概日リズムの周期、行動、生理機能の異常が出るようです。

睡眠に働くシステムの1つ目の恒常性維持機構は、覚醒時の生活習慣で睡眠覚醒リズムを作るため、少しでも睡眠を取るのがいつもより2時間遅かったなら、乱れてしまいます。

生物時計機構はどうでしょうか?
次の章で解説しますが、地球の自然環境では地球の自転の速度に多少のズレがあることから、生物時計の幅が24時間以上を想定した構造をしています。

生物時計は24時間を毎朝セットしていますが、生活習慣の乱れで、朝の光を浴びる時間が遅れると、24時間以上の範囲に適応します。

自国とは違う時差の国へ海外旅行をしたときに経験する時差ボケは、生物時計機構の乱れです。
夜なかなか眠りにつけなかったり、日中に覚醒が上がらず、眠気が取れないなどです。

人間が持つ生物時計の3つの性質

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人間が持つ生物時計の3つの性質

この章では、人間が独自に持つ生物時計の3つの性質を見ていきます。

生物時計の性質で知ってもらいたいのは、フリーラン、同調、温度補償性の3つ。

  • フリーラン(Free-run)
  • 同調(Entrainment)
  • 温度補償性(Temperature compensation)

生物時計機構は、この3つの働きを内在させることで、人間が他の生物とは少し違う高性能な生体リズムの獲得ができたのです。

地球環境で長年生きてきた人間たちが徐々に地球に適応して遺伝子内に組み込んだのです。

では、生物時計の人間独自の働きを見ていきましょう。

フリーラン(free-run)

フリーランとは、恒常環境下で独自のリズムを刻む事です。

恒常環境下というのは、外界の変化がまったくない環境。
そのような環境に人間が置くと、フリーラン作用によって24時間以上のサイクルにリズムを刻みます。

どういう事かと言うと、外界の変化がない環境では1日が例えば25時間になることがあるのです。
生物の種類によって異なりますが、だいたいのフリーランの範囲は20〜28時間付近です。

1日24時間は生物時計が毎日セットしてくれます。
生物時計がセットしない環境で過ごせば、フリーランが20〜28時間の間で1日の単位時間とします。

どうして24時間と固定せず、生物種によってフリーランが違っているのかとてみ疑問ですよね。
その理由は、地球環境には各エリアによって季節の変化があるからです。
季節が変化すると、太陽の光の周期が時期に応じて変化があるため、生物の遺伝子はジャスト24時間に設定を固定はしていないのです。

フリーランを研究した学者によって生物時計の仕組みは分かってきました。
フリーランを研究した学者をご紹介します。

最初に睡眠の研究を始めたとされる米国のクレイトマン。
クレイトマンの研究室の学生であったリチャードソン、そしてフランスのシファー。
西ドイツのアショフ、ハーバード大学のツァイスラーが著名なフリーランの研究者たちです。

米国のクレイトマンとリチャードソンの研究

ケンタッキー州マンモス洞窟内で1日28時間のリズムで生活できるかを検証。
クレイトマンは1日28時間のリズムでは生活できなかったのですが、リチャードソンは生活することができました。
この2人の研究で分かったのは、クレイトマンは実験当時43歳、リチャードソンは23歳。
加齢によってフリーランの範囲は24時間によって来ており、リチャードソンが28時間のリズムで生活できたのは年齢が若かったからではないか。28時間の生活をしようとしても生物時計は遺伝子作用と実験をする以前に経験した生物時計のパターンから24時間に近づこうとするのではないかが分かったのです。

フランスのシファーの研究

1962〜1972年の間に太陽が届かない自然の洞窟内で長期間(62〜205日間)生活をする。
そしてフリーランの反応を見るために、睡眠覚醒、脳波、心電図などを記録。
シファーの睡眠覚醒リズムは最初の1ヶ月間は24時間のリズムを維持していましたが、その後の睡眠にタイミングは最大で52時間まで変化したと記録されています。シファーの実験は生物時計内の潜在的なフリーランを検知する良い研究材料となっていましたが、それ以上の仮説検証は行なわれませんでした。

西ドイツアショフの研究

西ドイツのアショフは、ミュンヘン大学医学部の地下にあった防空用手術室を改造して住居用の時間隔離実験室を作った。その特異な状況で実験できる部屋で、さまざまな実験条件を設定し、睡眠覚醒リズム、深部体温、尿中代謝物、時間感覚などを測定。時間隔離実験室を使用したフリーランの実験は、1962年にアショフ自らが被験者となる。恒常環境下で睡眠覚醒リズムと深部体温(直腸温)などを9日間測定。アショフがそれまでに測定したフリーランが24時間より短い周期だったため、恒常環境下ではもっと短くなると予想していたのが実験結果では、24時間より1時間長い24.7時間。アショフは147名のフリーラン周期の測定をし、25.0(±0.5時間)という結果を出しました。

北海道大学の本間研一の研究

アショフの結果を元に、1983年にアショフ同様の時間隔離実験施設を作り、条件設定をしてフリーランの測定をした。本間が測定して分かったフリーランの結果は、男女の性差がある事。女性の方が男性より周期が短いと分かりました。ヨーロッパ人とアジア人のフリーランの民族差はないとされましたが、最近の研究ではアフリカ系アメリカ人と白人を比較すると、前者の方がフリーラン周期が短いという測定結果が出たことで、民族差はあるのではという見解があります。

ハーバード大学のツァイスラーの研究

被験者を強制的に20時間あるいは28時間、睡眠覚醒スケジュール下で生活させる強制脱同調法(Force Desynchrony:FD法)を実施。FD法で分かったのは、フリーラン同期は平均24.7時間。
FD法は、睡眠覚醒リズムが概日リズムのすべての位相に睡眠時間を分散させることができます。覚醒時の光環境が生物時計に与える影響を相殺でき、より正確にフリーラン周期を測定できると考えられている。

ポイント

被験者を安静時仰臥位で約36時間連続覚醒させる実験方法。
コンスタントルーチン法の弱点は、完全にマスキング(外部刺激による影響)を排除できない。
フリーラン周期を評価する方法には、被験者に睡眠時に証明を消灯してもらう自己調節法と前述したFD法、コンスタントルーチン法がある。

フリーラン周期を調べた過去の研究者たちの報告と、その調査に活用した実験方法を解説しました。
マスキングである光刺激を環境内で除去し、恒常性環境下を作ることが正確なフリーラン周期の信頼性のある実験となります。

最新の脳科学で使用される高精度の画像機器を使ったとしても、生物時計が発振するフリーランまでは見れません。
人間を恒常環境下でさらにマスキングを除去して初めてフリーラン周期の全容が見えてきます。

興味深い研究結果が、光刺激のマスキングを完全排除できる全盲の方に自己調節法とFD法でフリーラン周期を調べてみました。
その結果、視覚が正常な被験者と全盲の被験者では、自己調節法では平均24.1時間、28時間のFD法では平均24.1時間を示すという報告があるのです。

実験方法によってフリーラン周期が異なる結果から分かる事は、人間の生物時計は2振動体モデルがあると考えられます。

生物時計の発振をする視交叉上核と睡眠覚醒リズムを制御する振動体の間に協調性がある事。
睡眠覚醒リズムを発振する振動体からの視交叉上核へのフィードバック作用の強さが関与している事。
この2つがこれまで挙げた実験によって考えられる事ができ、人間の睡眠と覚醒には2つの振動体が関与し合っているという新しい知見が生まれたのは、睡眠科学にとってかなりの功績を上げました。

同調(Entrainment)

人間の生物時計は、フリーラン周期を調べたときに作り出した恒常環境下の洞窟実験や時間隔離実験室では24時間より長いフリーラン周期となりました。

でも、ほとんどの人間はフリーラン周期を24時間前後に生体リズムを刻み生きています。

この状態は、24時間で変動する外部環境の情報の因子によって因子生物時計や*位相を調節されているのです。

*位相とは:周期的に繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面

私たちは、食事の時間パターン、仕事をしている人は始業就業時刻の時間適応、日々の生活リズムでの24時間パターンなどが外部環境の情報因子となって、24時間を生物時計の機能で生体リズムを刻んでいます。

では、どうして24時間リズムを外部環境の因子によって調節できるのでしょうか?

生物時計を調節する環境因子を同調因子と言います。
同調因子は人間に限ったものではなく、他の生物も同じ24時間リズムを持っています。

今日の地球環境は大脳皮質を発達させた人間社会が環境を作っています。
その環境下で他の生物の生かされる事になっている今日で、人間に合った24時間リズムを他の生物も送っています。
例えば起床時刻は、人間社会が発達していた頃よりも遅くなっています。
太陽の光の時間サイクルは以前よりそれほど変化ないのにです。

このような24時間に同調するのは、地球の自転によって作られる24時間周期の明暗サイクル(高照度光)である事がさまざま研究結果で分かってきました。

明暗サイクルの研究結果をご紹介します。

ポイント

本間らは、時間隔離実験室内で生体リズムがフリーランしている被験者に人工的に24時間周期の明暗サイクル(8時間高照度光、16時間低照度光)を与えるとフリーランが阻止され、明暗サイクルに同調した。
人間の生物時計は生活習慣に影響を受けると考えられていましたが、人間も他の生物と同様に明暗サイクルに同調することが分かったのです。

生物時計の明暗サイクルに同調するメカニズムは、光刺激に対する位相反反応曲線によって解説できます。

位相とは、前述したように生体リズムのうちに特定の局面。
位相反応曲線は、恒常環境下でフリーランしている被験者に光刺激を与え、条件違いの位相を測定します。

光刺激を与えた前後での位相を調べるには、深部体温を測定するのが最も良い方法です。

このような実験で分かったのは、時間隔離実験室で生体リズムがフリーランしている被験者に約5000lx(るくす)の高照度光を3時間照らした時に位相反応曲線があります。

この研究結果は、位相反応曲線は生物間によって共通。
被験者が知覚する暗期を主観的暗期、明期を主観的明期とし、明暗サイクルの光刺激を与えました。
実験によってだいたいの位相パターンが分かってきました。

主観的暗期の前半に光刺激を与えると位相は遅れを生じ位相後後退相を作りました。
主観的暗期の後半から主観的明期の前半までは位相が早くなる位相後前半相を作り、主観的明期の中間では位相反応がまったく変わらない無反応期が見られました。

この結果により、生物の生物時計は24時間より長いフリーラン周期を持っていますが、朝の光を浴びることで位相を前進させ24時間の生体リズムを作り出しています。

朝の光を適切なタイミングで浴びれるように、睡眠覚醒リズムは朝覚醒するような時間設計をします。
外界環境に適応して24時間周期を作り、朝の光が自然界から出るタイミングで生物時計がフリーラン周期を位相前半相にすることで、生物時計と睡眠覚醒リズムである恒常性維持(ホメオスタシス)は協調し合っています。

夜中のテレビやスマホはブルーライトによってフリーラン周期の同調を崩す

以前ならテレビ、今ならスマホの画面からはブルーライトが光を放っています。
そのお陰で、夜間の暗い時間帯でもとても画面は見やすいですが、ブルーライトがフリーラン周期を前進を後退に位相させてしまい、睡眠覚醒リズムを崩している方がたくさんいます。

生物時計が最もよく反応する光は、480nm付近の青白光(ブルーライト)です。
ブルーライトは、生物時計に光刺激を伝達する網膜神経節細胞が産生するメラノプシンの最大吸収波長にとても近いです。

ブルーライトを夜間見ると、生物時計は24時間リズムをその時間からスタートさせてしまい、外部環境の24時間と合わなくなるのです。

よって夜間のテレビやスマホの視聴はなるべく避けるようにしましょう。
生物時計と睡眠覚醒リズムが協調し合わなくなると、重度な不眠症をなってしまい、社会活動の低下をおよぼします。

特に子どもは脳の学習力に睡眠は大きく関係します。
子どもには、睡眠時間2時間前からはテレビやスマホを見せず、睡眠衛生を暗く整え、絵本などにする心がけが大切です。
子どもの脳と学習力が睡眠に関係する詳しい解説は、子どもの睡眠は脳の学習力向上に大きな影響|両親が心を安心させ睡眠に導こうに書いています。また見ておいてくださいね。

人間にしか出てこない内的脱同調

内的脱同調とは、恒常環境下で生活させた状況で、睡眠覚醒リズムと深部体温やメラトニンリズムが異なる周期でフリーランする現象です。

睡眠覚醒リズムと深部体温やメラトニンリズムは自然に同調することで、睡眠と覚醒の内的運動をサポートしています。

つまり、深部体温が高いと覚醒を導き、深部体温が低いと覚醒を抑制し睡眠に導入するという作用が、睡眠覚醒リズムの根底にある機能です。

しかし、この協調性が失われることがあるのです。
この内的脱同調は、ヒトの生物時計機構にのみ観察される特異な現象です。

内的脱同調を証明する研究結果が報告されていますので、ご紹介します。

ポイント

内的脱同調は1965年にアショフが初めて研究結果を出しました。
内的脱同調が生じると、深部体温やメラトニンリズムの周期は約25時間を維持しています。
しかし、睡眠覚醒リズムは30時間以上(Ⅰ型)の長周期と20時間未満(Ⅱ型)の短周期になります。
内的脱同調が生じると覚醒リズムの変容から食事回数が増えるという症例が報告されています。
食事回数が増えても体重増加はないようですので、代謝は24時間リズムを取っているのではと考えられます。

内的脱同調が生じると、睡眠を取るべき時間に深部体温が上がり、メラトニン分泌が低下すると、急に覚醒が上がり、目覚める現象が出ます。

深部体温の下降期に開始した睡眠は持続時間が長く、睡眠の質も高くなります。
一方、深部体温の上昇期に開始した睡眠は持続時間が短く、睡眠の質は低くなります。

生活習慣の乱れや生活環境内のストレスが精神面を弱くし、内的脱同調を起こす因子となっていきます。

夜睡眠が取れているのに、日中とても眠気に勝てず、仕事にならないなどの覚醒にマイナス影響を与えているなら、内的脱同調です。

生物時計を明暗サイクルで整え、睡眠覚醒リズムは生活習慣の乱れを修正し24時間生体リズムに設定し直すと、内的脱同調は24時間リズムに同調してくれます。

他の哺乳類にはない人間だけの生物時計の性質(2振動体モデル)

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他の哺乳類にはない人間だけの生物時計の性質

ここから最後の章で、他の哺乳類にはない人間だけの生物時計の性質を解説します。

人間にしかない生物時計の性質は、2振動体モデルと言っています。
内的脱同調が2振動体モデルの逸脱から来ているので、前章で少し解説しています。

内的脱同調が見られる現象から、人間には2振動体によって生物時計が構成されている仮説が成立します。

これまでの生物時計の研究によって、2つの生物時計の局在や同調因子が分かってきています。

深部体温やメラトニンリズムを制御する生物時計が振動体Ⅰとし、約25時間のフリーラン周期を持ち、主に高照度光を同調因子として、中枢時計として視交叉上核に存在します。

一方、睡眠覚醒リズムを制御する生物時計を振動体Ⅱとし、30時間以上あるいは20時間未満のフリーラン周期を持ち、主に生活習慣、行動パターンのスケジューリング、運動、社会活動などの社会的因子を同調因子にします。
振動体Ⅱは、最近の動物モデルの実験結果から中脳のドーパミン神経系や複数のドーパミン神経が協調することで1つの生物時計としての働きをすることが分かっています。

人間であるあなたの生物時計は、明暗サイクルで約25時間のフリーラン周期を持つ振動体Ⅰと生活習慣や社会活動によってドーパミン神経が作用する振動体Ⅱが協調していると知ってもらえると良いですね。

ヒトの生物時計の2振動体仮説

  • 振動体Ⅰ:明暗サイクル(光)・視交叉上核・深部体温リズム、メラトニンリズム
  • 振動体Ⅱ:社会的同調因子(生活スケジュール・運動)・ドーパミン神経・睡眠覚醒リズム

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まとめ:

この記事では、あなたの睡眠を作り出す生物時計を詳しく解説しました。

睡眠は人間が自分の意思で行えるのではなく、生物時計が地球環境に適応して、1日24時間の生体リズムを作ることでできる身体と脳の休息行為です。

睡眠の導入には、生物時計機構恒常性維持機構の2つによって行なわれています。

生物時計機構は、地球環境が身体に与える光刺激の明暗サイクルによって視交叉上核で24時間を発振します。

生物時計機構が行なう全身の機能

  • 睡眠覚醒リズム
  • 体温調整
  • 血圧のコントロール
  • ホルモン分泌

生物時計が刻む24時間リズムが遺伝子作用によって制御されています。

生物時計が刻む24時間リズム

  • 6時〜12時
    コルチゾール最大値
    メラトニン分泌終了
    血圧のモーニングサージ
    覚醒時レベル最高値
    血中尿酸最高
  • 12時〜18時
    血中コレステロール最大
    体調がベストの状態
    反応速度が最速
    アドレナリン最高値
  • 18時〜24時
    深部体温の最高値
    運動パフォーマンスが最大
    脳出血リスク最大
    メラトニン分泌スタート
  • 24時〜6時
    自然分娩開始
    成長ホルモンの分泌量が最高
    深部体温の最低値
    ぜんそく発作

生物時計が明暗サイクルを受け24時間に生体リズムを制御していると、自律神経系やホルモン系は決められた時刻にそれぞれの生体反応をします。

しかし、明暗サイクルの乱れによって生物時計機構が機能しなくなると、24時間サイクルは乱れ、社会活動に合わない体内となり、うつ病にも悪化していきます。

最近の研究では、生物時計には2つの振動体があるのが分かってきました。

ヒトの生物時計の2振動体仮説

  • 振動体Ⅰ:明暗サイクル(光)・視交叉上核・深部体温リズム、メラトニンリズム
  • 振動体Ⅱ:社会的同調因子(生活スケジュール・運動)・ドーパミン神経・睡眠覚醒リズム

このようにあなたの睡眠は、生物時計が光刺激を応じて、自然に行う行為であるのです。

睡眠が適切にできていると、生物時計は機能していると判断できます。
睡眠に悩みがあるのなら、生物時計の機能が低下し、24時間生体リズムができていないため、生きることに苦しい想いをされていると考えられます。

ぜひそのような方は、睡眠パーソナルトレーニングによって睡眠改善を行なってみましょう。

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