睡眠薬

あなたにでも分かる不眠を改善する睡眠薬の種類|医師とあなたが共有しておこう

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不眠を改善する睡眠薬の種類

私は1年前から不眠に悩まされています。スッキリ眠れる日は週に1回程度。眠るまでがなかなかで時間がかかります。そこから朝まで眠れる日も多いですが、朝眠った感じがあまり感じられないときも多くあります。心療内科に行き、睡眠薬を処方してもらった方がいいのかなと思っています。でも睡眠薬は1度服用すると依存してしまうと聞いたことがあるので、あまり気乗りはしていません。でも不眠が毎日続くと身体が疲れを訴えかけてきます。睡眠薬にはどのような種類があるのかを教えてもらいたいです。

このような不眠に悩まされているあなたに知ってもらいたい「睡眠薬の種類」をこの記事では解説します。

私は睡眠を専門に女性のお客さま限定で身体と心から体内のメカニズムを活用し不眠を改善させているパーソナルトレーナーのtakです。

不眠に悩まされていると目覚めが悪く仕事中に集中力が失われ、仕事にも嫌気が出たり、あなた自身も自己嫌悪におちいってしまいます。

不眠を早く改善したいと強く願うと心療内科で睡眠薬を処方してもらった方がいいのでは?と思います。

でも、睡眠薬って副作用もありそうだし、薬がないと睡眠が取れなくなってしまうなどの依存性の怖さもあってなるべく服用しない方がいいと思ってしまうのが自然な気持ちです。

私自身の考え方は、睡眠薬を服用せず、自然に環境と身体に変化を与えて睡眠が取れるようにするのがもっとも良い選択です。でも、どうしても自然にはできなくて、睡眠薬に一時的に頼ってから、少しずつ自然に改善するように取り組みたいという選択も良いと考えています。

そんなあなたにこの記事では睡眠薬の全種類を解説し、睡眠薬は1つではなく、さまざまな種類があって、その中から自分に合う睡眠薬を処方してもらえばいいと知ってもらう内容です。

不眠に悩まされると自分に余裕がなくなり、自分で自分を不眠という病気扱いをしてしまう精神面を睡眠薬の種類を知ってもらう事で楽にできます。

私は22年脳科学と神経生理学の研究を独学で行なってきました。あなたの脳内で神経活動が行なわていくのかを精通しています。よってこの記事の文章構成もあなたの脳内にインプットされやすく、ストレス最小限の文章で書いています。最後まで楽に読むことができますので、ぜひお付き合いくださいね。

この記事を読んで分かること

  • 睡眠薬は効用に違う5種類ある
  • 睡眠薬は症状や要望に合わせてタイプを変えることができる
  • 睡眠薬以外に不眠改善できる薬がある

睡眠薬は、5種類の効用の違うタイプで存在している

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睡眠薬は効用に違う5種類のタイプがある


不眠に悩まれて心療内科に受診すると、医師はあなたの症状を問診し、不眠のタイプと症状を診断していきます。
不眠には、入眠障害、夜間覚醒、中途覚醒、早朝覚醒の4つのタイプがあります。

医師はあなたの不眠の症状を十分な問診によって、4つのタイプからそれぞれのタイプとその個体によって多少異なる症状から、あなたに合った睡眠薬を特定していくのです。

睡眠薬は、不眠の4つのタイプに合わせて効用の違う薬が開発されているのです。

不眠の4つのタイプは、私の記事の40代以上の女性に多い不眠症の4つのタイプとは?睡眠改善を考えていくで書いています。また見ておいてください。あと不眠は睡眠障害の1つに分類されています。不眠以外の症状をあなた自身お持ちかもしれません。睡眠障害を詳しく書いた記事、睡眠障害の種類は8つある!眠りにくい日が21日続くならチェックしようも合わせてお読みください。

心療内科での不眠に対する治療は、主に薬物療法である睡眠薬の処方です。
最近では、この記事でも解説していますが、副作用の少ない睡眠薬が開発されています。
以前だと、副作用が強い睡眠薬が多かったので、心療内科医は、精神療法や認知行動療法を取り入れた非薬物治療も同時並行に行なっていました。

睡眠薬に依存させない不眠へのアプローチが、今では睡眠薬を中心とした治療が中心であることを知っておいてください。

私は医師ではないので、睡眠薬の処方はできませんので、運動、リラクゼーション、精神療法など脳内の大脳皮質で認識できる部分以外でアプローチをし、不眠を改善させていきます。私の見解では、不眠をきたす方のほとんどは環境に身体と精神が不適応な要素がほぼ確実に存在しているので、その部分を大脳皮質から抑制し、情報として除去することが大切だと考えています。

あなたが抱えている自己の悩みとしてはかなり深い不眠はどうして起こるのでしょうか?

不眠は人間の脳や神経活動の不具合や誤作動で起こります。
あなたがいつも持っているスマホのネット回線を活用する通信で間違いない操作をしているのに、たまにうまく送れない経験はありますよね?

不眠はスマホが壊れているのではないのに、機器に内蔵される電圧の誤差やスマホ画面上での回線の一時的なトラブルによって通信できなくなるのと同じメカニズムなのです。

睡眠は毎晩当然行なう脳の疲労を解消し、身体を日中は重力下で筋活動によって発生する疲労物質の乳酸を除去するために、生体リズムで定められた行為。

そんな大切な睡眠ができなくなると、生きるか死ぬかを悩むのと同等の苦しさを感じるのです。

このように不眠は多くの人の悩みの中心になってしまっています。
睡眠に悩む人が多いため、睡眠薬の開発が他の病態の薬剤よりも進んでいて、さまざまな症状に合った睡眠薬が医療ではできてきました。

心療内科では、あなたの症状に合わせて睡眠薬を処方してくれます。
効用に合わせて処方された睡眠薬を服用してもあまり効果がない場合もあるし、最初は効果があってもすぐに効果が現れないで不眠が再発する場合も。

睡眠薬はさまざまな種類がありますので、医師はあなたの不眠の症状をもう1度再考し、診断し直します。
そこから、再度あなたに合った睡眠薬を処方してくれます。

では、あなたが不眠の悩みから解放できるように、睡眠薬の種類を詳しく見ていきましょう。

まず、知っておきたいのは、睡眠薬は主に5種類あります。

  • 非ベンゾジアゼピン系
  • ベンゾジアゼピン系
  • メラトニン受容体作用薬
  • オレキシン作動拮抗薬
  • バルビツール酸系

この5つが現在の心療内科医療で使用される睡眠薬の5種類。
この5種類の睡眠薬で以前はバルビツール酸系の睡眠薬が主流でした。
しかし、バルビツール酸系の睡眠薬は、副作用が強く、また安全性にも課題がありました。
バルビツール酸系の睡眠薬が使用されていた頃は、他の睡眠薬が開発がまだだったために、副作用を受け入れるしかなかったんですね。

不眠で悩まれている方にぜひ睡眠薬を服用した方がいいとは、私は思っていません。
睡眠は覚醒とのバランスで成り立つ生体内を健全な細胞の運動を自律させるための自然現象。
だから、睡眠薬の服用は決してオススメはしませんが、バルビツール酸系の睡眠薬以外に効用がソフトで、効用の持続時間に合わせた睡眠薬の選択肢がたくさんあるので、睡眠薬を最短で取り入れて、睡眠周期の機能を上げていくのも良いと考えています。

なので、どうしても自然現象を待つことができないと思われる方には、現在の睡眠薬に副作用があまりないので、服用も良いのでしょうね。

バルビツール酸系の副作用を何とか軽減しようと睡眠医学では睡眠薬の開発が進み、その後世の中に出てきたのが、ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

最近ではベンゾジアゼピン系睡眠薬が、バルビツール酸系で服用した方を苦しませていた副作用がまったくなく、心療内科ではほぼこの睡眠薬が処方されています。

副作用がないとは言っても、万人に合う薬というものはまだこの世に存在しません。
いや、薬で人間を根幹から快適に、健全にすることは不可能なのです。
この部分の本質をご理解頂き、不眠のお悩みを軽くし、精神的な不安が睡眠に対して軽減したら、身体から睡眠周期作っていくアプローチをしていきましょう。

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ベンゾジアゼピン系睡眠薬からさらに開発が進み、今では非ベンゾジアゼピン系睡眠薬も出るようになりました。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬よりももっと非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用はありません。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の機能の特徴は、効用の時間に違いのある違うタイプが出ていることです。
半減期6時間以内の超短時間作用や薬の効果が入眠中持続できる半減期6〜12時間の短時間作用などがあります。

心療内科医と相談して、不眠の4つのタイプであなたの症状がどこに出ているのかから、効果の違う睡眠薬を合わせていきます。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は脳内に働きかけ、不眠を改善させていきます。
脳内でどのような変化を引き出し、不眠を改善するのかを解説します。

ベンゾジアゼピン系と同じ非ベンゾジアゼピン系は、睡眠を誘発する大脳辺縁系にある受容体に作用します。
ベンゾジアゼピン受容体に作用するのに、非ベンゾジアゼピン系はベンゾジアゼピン系の化学構造を持っていません。

ベンゾジアゼピンと非ベンゾジアゼピン系、そして最近ではほぼ処方されなくなりましたが、バルビツール酸系は脳内の活動レベルを落として睡眠を誘発する睡眠薬です。

脳内の活動を落とすことは、細胞を神経活動で繋ぎ合わせる働きに影響を与えるため、日中覚醒が上がらず、活動的になれないなどの副作用が出てきてしまいます。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を服用しても、不眠は改善されても、日中の覚醒が落ちることが感覚的に合わない方もたくさんおられます。
その方には、脳内の活動を落とす睡眠薬以外に、自然に眠気が誘発させる睡眠薬も開発されています。

その睡眠薬は、メラトニン受容体作動薬とオレキシン受容体拮抗薬です。

メラトニンは睡眠を促進する松果体で生成される神経伝達物質。
オレキシンとは視床下部に核を持ち、覚醒を持続させるための神経伝達物質。

この2つの睡眠薬は、メラトニンを促進する睡眠薬と、オレキシンの働きを抑え、覚醒をカットして睡眠に導入させる効用です。

ベンゾジアゼピン系の副作用に耐えられない方に最適な睡眠薬ですが、ベンゾジアゼピン系の脳内の働きを抑えるよりも自然な反応によるので、効果としては徐々にしか出てきません。
ベンゾジアゼピン系で意識が落ちるように眠れた経験をすると、メラトニン受容体作動薬とオレキシン受容体拮抗薬は物足りないと感じるかもしれないですね。

睡眠薬の服用は、あなた自身の体質に合うかどうかによります。

睡眠は促進されても、覚醒した後身体や心がだるく感じることもあるので、心療内科医と相談の上、処方してもらうようにしてください。

ここからは、それぞれ5種類の効用が違う睡眠薬の商品名と成分名をまとめていきます。

非ベンゾジアゼピン系

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

  • 超短期型
    アモバン(ゾビクロン)
    マイスリー(ゾルピデム)
    ルネスタ(エスゾビクロン)

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系以外のすべての睡眠薬を指しているのではありません。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の後に開発された、化学構造が少し違っている睡眠薬だと考えてください。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬には、現在、チエノジアゼピン系、シクロピロロン系、イミダゾピリジン系があります。
チエノジアゼピン系はベンゾジアゼピン系として考える医療もあるみたいです。

非ベンゾジアゼピン系の主な睡眠薬は、シクロピロロン系のゾビクロン(商品名:アモバン)とゾルピデム(商品名:マイスリー)です。

ゾビクロンとゾルピデムはそれぞれ超短時間作用の睡眠薬。
入眠困難や熟睡感の欠如の不眠の症状に対処できる睡眠薬です。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は効果が現れるのがとても早いため、就寝の準備をして、身体を横にするすぐ前に服用します。

ベンゾジアゼピン系

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

  • 超短期型
    ハルシオン(トリアゾラム)
    リスミー(リルマザホン塩酸塩水和物)
  • 短期型
    レンドルミン(プロチゾラム)
    ロラメット・エバミール(ロルメタゼパム)
    デパス(エチゾラム)
    リスミー(塩酸リルマザホン)
  • 中時間型
    ユーロジン(エスタゾラム)
    サイレース・ロヒプノール(フルニトラゼパム)
    ロヒプノール(フルニトラゼパム)
    ベンザリン・ネルボン(ニトラゼパム)
    エリミン(ニメタゼパム)
  • 長時間型
    ネルボン・エリミン(ニトラゼバム)
    エリミン(ニメタゼパム)
    ダルメート・ベノジール(フルラゼパム塩酸塩)
    ソメリン(ハロキサゾラム)
    ドラール(クアゼパム)

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、1950年頃に開発され、抗不安、抗けいれん、筋弛緩、催眠鎮静の4つの作用を持つ、副作用や依存性の少ない薬として、長年不眠には活用されてきました。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬より以前に主流として活用されていたはバルビツール酸系や非バルビツール酸系は、循環器系に負担がかかり、呼吸抑制の症状が強くなる特徴がありました。
そして、バルビツール酸系睡眠薬は依存性がとても強く、自然睡眠に還元するのが困難でした。
不眠の不安から自然睡眠に戻れず、睡眠薬依存となり、認知症や感情コントロール不全に悪化した方がたくさんいたようです。

そんなバルビツール酸系睡眠薬のデメリットを改善したのがベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の特徴は、5つあります。
その5つとは、1,生物学的消失半減期、2,W1選択性、3,代謝経路、4,呼吸経路、5,呼吸抑制の有無です。

  1. 生物学的消失半減期
  2. W1選択性
  3. 代謝経路
  4. 呼吸経路
  5. 呼吸抑制の有無

生物学的消失半減期とは、睡眠薬は睡眠中にのみ効果が出れば良いわけですが、そのような意味で効果のある時間の以外を半減させる期間を言います。

仕事をされている方なら、朝起きて覚醒時には睡眠薬の効用が出ると仕事になりませんよね。
そのような環境に生きている方には、効果が6時間以内に半減期を迎える超短時間作用型を処方します。

W1選択性とは、ベンゾジアゼピンが作用する受容体(レセプター)はGABAA受容体に反応させる薬剤の結合しやすい指標を表したものです。

GABAA受容体は、3種類5個のサブユニットで構成されています。
このGABAA受容体の違いにベンゾジアゼピンを働きかけるのですが、もともと脳内に存在するGABAA受容体は数種類あります。

W1選択性の強いベンゾジアゼピン系睡眠薬とそうでない睡眠薬では、ベンゾジアゼピン系の不眠に対する効果がかなり薄くなります。

つまり、不眠の症状のレベルによってW1選択性の強い薬剤を使い分けをします。

W1選択性が強い薬剤は、大脳辺縁系より大脳皮質や小脳のGABAA受容体に反応し、催眠鎮静が強く、抗不安、抗けいれん、筋弛緩作用が弱くなります。

不眠の症状によっては、睡眠に対する不安が強くそこが不眠に影響を与えているのであれば、W1選択性の低い薬剤を選択することが必要となります。

バルビツール酸系睡眠薬ではできなかった不眠の薬物治療ですよね。
不眠の症状の強弱によって薬物を選択できるのは、個々の症状を尊重しながら、身体に適応する薬剤を選択できるのは、より自然に不眠が改善されていくことになったのです。

代謝経路とは、ほとんどのベンゾジアゼピン系睡眠薬は肝臓の代謝を受けています。
肝臓にある代謝経路のチトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝されます。

つまり、ベンゾジアゼピン系は脳内の神経系だけに反応させるのではなく、肝臓が持つ代謝機能を生かして、ベンゾジアゼピン系を促進させるのです。
代謝機能は自然の獲得している細胞の運動ですので、ベンゾジアゼピン系はバルビツール酸系より自然に睡眠に導入させられるのです。

ただ、不眠を改善する睡眠薬として身体に優しいのですが、P450 3A4(CYP3A4)の反応には個人差がどうしても出てきてしまいます。
よって、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用しても、不眠に対する効用が少ないケースもあるのです。
でも、身体の負担は少ないため、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用しながら、睡眠衛生を整えていくのが適切な不眠改善の考え方ですよね。

最後の呼吸抑制とは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬のフルニトラゼパム(商品名:サイレース・ロヒプノール)では、静脈内投与時に呼吸抑制され、酸素摂取量が著しく低下する事例があるようです。

メラトニン受容体作動薬

メラトニン受容体作動薬

  • ロゼレム(ラメルテオン)
  • メラトベル(メラトニン)

眠気を自然に引き出し、睡眠に自らの体内リズムで導入させるメラトニン受容体作動薬は、ラメルテオンと言い、2009年に開発され、市場に出てきました。

ラメルテオンは、深部体温下降にともなう入眠作用と生体リズム変位作用を持つ効用です。
この2つの作用は、画期的な反応を生み出せたとして、睡眠科学に驚きを与えました。

ラメルテオンは、メラトニン受容体アゴニストの作用を持ち、視交叉上核に存在するメラトニン受容体に反応させることができます。

メラトニンは、外界か網膜を通じて視神経に入る光刺激がなくなる夜間に視交叉上核のメラトニン受容体を反応させ、入眠に導入していきます。

不眠症の方は、光刺激がなくなる夜間になっても、メラトニン受容体が反応せず、なかなか入眠できません。
ラメルテオンは、就寝時に目をつぶり、光刺激が遮断された後、深部体温が低下するタイミングでメラトニン受容体を反応させることができるのです。

とても生体リズムを考えられた睡眠薬ですね。

あとラメルテオンは、約25時間の生物的環境因子をメラトニンを促進することで調整させる効果があります。

海外旅行での時差ぼけ、夜勤のある仕事での不眠に適応させられます。
ラメルテオンは、依存性がないと認定されているので、処方制限がなく、心療内科医としては処方しやすい睡眠薬です。

メラトベルは、小児の神経発達症に伴う不眠にのみ使用できる睡眠薬。
よって、成人が使用できるのは、ラメルテオンのみとなっています。

海外の国では、メラトニンはサプリメントで販売されています。
日本人はメラトニンに対して過敏反応を起こすと考えられ、西洋人はメラトニン反応が弱いようで、市販のサプリメントで購入できます。

メラトニンはラメルテオン以外で服用できる薬剤はありません。

オレキシン受容体拮抗薬

オレキシン受容体拮抗薬

  • ベルソムラ(スボレキサント)
  • デエビゴ(レンボレキサント)

ベルソムラは、覚醒の維持の関与するオレキシンをブロックして睡眠に導入させる睡眠薬です。
オレキシンは、ヒスタミン神経が集まる結節乳頭核に受容体を持ち、覚醒を高める神経伝達物質。
オレキシンは絶えず変動しており、日中でもオレキシンが何らかのストレス作用で抑制されると、覚醒が落ちていきます。

オレキシンは日中は分泌量が多く、睡眠中はほぼゼロの状態です。

ベルソムラは、副作用が少なく、依存性が極めて少ない睡眠薬です。
なかなかベッドに入ってもなかなか眠れない入眠障害に効果的です。

ベルソムラのデメリットは、日中に眠気が残るのと、自然に眠気を誘発する睡眠薬なので、人によっては効果があまりないこともあります。

デエビゴは、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1受容体:OX1R・オレキシン2受容体:OX2R)に対してオレキシンの競合を拮抗する睡眠薬です。

オレキシンの競合とは、あなたの脳内で生成されるオレキシンに融合されずにオレキシン1受容体とオレキシン2受容体に反応させられるという意味です。

例えば、オレキシン受容体に反応できる薬剤が、脳内のオレキシンに吸収されてしまうと、オレキシン受容体を反応させることはできませんよね。

脳内で生成されるオレキシンと競合せず、オレキシン受容体を反応させることができるのが、デエビゴ。
デエビゴは、脳内のオレキシンと競合しないようにした化学構造である拮抗作用を持ち、アンタゴニストと言われます。

バルビツール酸系と非バルビツール酸型系

バルビツール酸系睡眠薬

  • 超短期型
    チクロパン(ヘキソバルビタール)
  • 中時間型
    イソミタール(アモバルビター)
  • 長時間型
    フェノバール(フェノバルビタール)
    ラボナ(ベントバルビタール)

非バルビツール酸系睡眠薬

  • 超短期型
    アモバン(ゾピクロン)
    マイスリー(ゾルピデム)

バルビツール酸系睡眠薬は、治療指数(医薬品の治療効果を示す量と致死量の比較)が低く、現在では依存性が強く、過剰な服用量となるリスクを考慮し使用は推奨されていません。

睡眠薬には大きく2つのメカニズムの違うものがある

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睡眠薬には2つのメカニズムの違いがある


ここまで5種類のタイプの違う睡眠薬を解説しました。
睡眠薬の効用には、大きく分けて2つの働きの違いで分類ができます。

睡眠薬の2つの働きの分類

  1. 脳の機能を低下させる
  2. 自然な眠気を強くする

上記の解説を見るだけで想像できる方もいると思いますが、睡眠薬として効果が分かりやすいけど副作用があるのは、1,の脳の機能を低下させる薬剤で、2,は自然に眠気を促す分、効果が小さく、効果が出るまでの時間がかかります。

どちらを選択するのかは、心療内科医との相談となります。

ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系、現在は使用されませんがバルビツール酸系、非バルビツール酸は脳の機能を低下させる睡眠薬です。

メラトニン受容体作動薬とオレキシン受容体拮抗薬は、自然な眠気を強くする睡眠薬です。

脳の機能を低下させる

1950年以降近年まで、脳の機能を低下させ、睡眠に導入させていく睡眠薬が中心でした。
ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、バルビツール酸系の睡眠薬。

これらの睡眠薬は、大脳辺縁系や脳幹網様体の働きを抑え、覚醒を落とし、催眠作用によって睡眠に繋げます。

脳の機能を広範囲で低下させるので、個体差によって効果がない場合は、日中まで催眠作用が継続する副作用が難点です。
超短期型は6時間以内に効果は消失するはずですが、人によっては効果が持続してしまうケースもあるのです。

副作用は脳の他の神経活動に影響が出る事例もあります。
トリアゾラム(商品名:ハルシオン)で、記憶障害を起こすこともあると発表されており、ベンゾジアゼピン系睡眠薬による大脳皮質抑制が強くなることで影響が出ているのを示しています。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、「日中運動を過剰に行って就寝時に肉体がクタクタに疲弊している」感覚に近い状態で催眠作用を起こします。
やはり、熟睡効果はあっても、過度な運動後では次に日に疲労が残ることがあるように、人によって睡眠薬の効果より副作用が強くなってしまうのが、ベンゾジアゼピン系のデメリットなのです。

またベンゾジアゼピン系の睡眠薬を長期間服用すると認知症になる事例があります。
ベンゾジアゼピン系は大脳辺縁系や脳幹網様体の活動を抑えることで、神経伝達を行なっている大脳皮質や小脳の活動も低下します。

小脳は筋肉の緊張や収縮、伸張の筋活動の変化を伝えるセンサーを受容しています。
小脳の活動が低下すると、身体知覚が悪くなり、大脳皮質の前頭前夜には学習を促進する神経活動があるので、そこの機能も低下します。

その結果、認知症に発展する中高年者も多く、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の長期間服用は避けるのがベストだと考えられます。睡眠薬と認知症を書いた記事が、睡眠薬の副作用で認知症が絶対的に!内科で簡単に処方されていた薬が超危険です。また睡眠薬を飲む上で認知症の心配がある方はこの記事を読んだ上で、心療内科医と相談して、服用期間を決定してください。

自然な眠気を強くする

効果が強く出てくるものの副作用が心配されるベンゾジアゼピン系睡眠薬から近年では、自然な眠気を強くする睡眠薬が開発されています。

メラトニン受容体作動薬とオレキシン受容体拮抗薬の2つ。
メラトニンとオレキシンは睡眠覚醒リズムを作り出す生理的な物質。
これらの生理作用を自然に反応を高めることで、睡眠周期を調整させることができます。

睡眠薬には作用時間で処方され方が違う(最高用量・ピーク時間・半減期)

睡眠薬には、薬剤によって作用時間が違う効用として研究開発されています。
そのため、最高用量、ピーク時間、半減期という3つの要素を考えて、処方しなければいけません。

超短時間型

超短時間型は、即効性のあるタイプで、効果のピークは1時間未満、作用時間は2〜4時間です。

  • ハルシオン
  • マイスリー
  • アモバン
  • ルネスタ

超短時間型は、入眠困難タイプの不眠に有効なタイプです。
入眠困難、つまり寝付きの悪い不眠症状の方向けで、ピークは1時間未満ですので、入眠困難に最適です。

入眠ができにくので、睡眠導入だけがスムーズに行なえれば良く、作用時間の長い睡眠薬は必要ありません。
入眠を睡眠導入の作用で睡眠薬に任せて、作用時間が2〜4時間なので、7時間睡眠を取る方であれば、残りの3〜5時間は自然睡眠に任せれば良いのです。

処方例

 マイスリー10mg 1錠 就寝前1回 

短時間型

短時間型は、効果のピークは1〜3時間、作用時間は6〜10時間です。

  • デパス
  • レンドルミン
  • エバミール・ロラメット
  • リスミー

中間型

中間型は、効果のピークは1〜3時間、作用時間は20〜24時間です。

  • ロヒプノール
  • サイレース・ベンザリン
  • ネルボン・ルーロジン

中間型は、不眠の症状の中で「中途覚醒」と「早朝覚醒」に適したタイプです。
寝付きはいいのに、夜中に目覚め、またはまだ眠気があるのに起きる2時間前に起きてしまう症状の方向けです。

超短時間型や短時間型のような睡眠導入作用より、ゆっくりと長く作用する睡眠薬を選択します。

夜中何時に目覚めてしまうかで、入眠時間から換算していくと、必要な作用時間が分かります。
中間型では足りないなら、長時間型を選択することになります。

処方例

 ロヒプノール1mg 1錠 就寝前1回 

長時間型

長時間型は、効果のピークは3〜5時間、作用時間は24時間〜です。

  • ドラール・ベノジール
  • ダルメート・ソメリン

長時間型は、途中覚醒や早朝覚醒、またはこれらが複合的に出て、覚醒時の熟睡感の欠如の不眠の症状の方に最適です。

寝付きはいいのに、長く眠れないという方には、長時間型。
夜中に目覚め、さらに起きる時刻より2時間前に起きてしまう不眠の症状の方にも、長時間型が処方されます。

複合タイプの不眠の症状には、短時間型と長時間型に2種類の睡眠薬を服用してもらうこともあります。

処方例

 レンドルミン0.25mg 1錠(短時間型) エリミン5mg 1錠(長時間型)共に就寝前1回

睡眠薬の強さの違い

睡眠薬には、薬剤の成分によって効用の強さが違います。
この記事で解説してきた睡眠薬5種類では、今ではほぼ使われていないバルビツール酸系が1番薬剤の強さがあります。

ベンゾジアゼピン系がその次で、非ベンゾジアゼピン系、オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬と続きます。

バルビツール酸系(非バルビツール酸系)>ベンゾジアゼピン系>非ベンゾジアゼピン系>オレキシン受容体拮抗薬>メラトニン受容体作動薬

強さに比例し安全性は少なくなり、強さが低いほど安全性は高くなります。
さらに、睡眠薬の強さは用量を増やせばどんどん強くなっていきますので、医師の個別的な不眠の症状の診断力による睡眠薬の処方にかかってきますね。

睡眠薬で改善する睡眠周期の違い

睡眠薬を服用するときに考えてもらいたいのは、それぞれの睡眠薬での効用は睡眠周期のノンレム睡眠とレム睡眠で違ってきます。

ノンレム睡眠は、3段階(以前は4段階)に分けられ、分かりやすく「深い睡眠」、「浅い睡眠」に分けます。
レム睡眠は、身体は完全休息で、脳は覚醒時に近い活動をする睡眠周期です。

睡眠薬で睡眠周期のノンレム睡眠とレム睡眠とを分けて、睡眠周期のどの部分に効果があるのかをまとめます。

現在はほぼ使用されていないバルビツール酸系を覗いた4つの睡眠薬で睡眠周期における周期を見ていきます。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ノンレム睡眠(浅い睡眠)

ノンレム睡眠(深い睡眠)

レム睡眠

心療内科医がもっとも処方する睡眠薬はベンゾジアゼピン系です。
ベンゾジアゼピン系はノンレム睡眠のうちステージ1,2である浅い睡眠を向上させ、持続させます。

その結果、全体の睡眠周期のバランスは少し崩れてしまい、身体的に合わないと感じる方も多くいます。

ベンゾジアゼピン系を服用すると、寝入りは即効性があるため麻酔かけられたように眠りにつけます。

その分、ノンレム睡眠の深い睡眠期であるステージ3とレム睡眠の睡眠の質は低下するのです。

私が知っているお客さまの統計では、ベンゾジアゼピン系は依存性がある印象です。
寝入りに悩まれると、精神的な苦痛を伴い、睡眠に対する不安も増えますので、自然睡眠に移行いにくいです。


非ベンゾジアゼピン系

ノンレム睡眠(浅い睡眠)

ノンレム睡眠(深い睡眠)

レム睡眠

 

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ノンレム睡眠のうちステージ3である深い睡眠期に効果が現れます。

即効性がベンゾジアゼピン系よりはないので、寝入りはいつもと変わらないので、睡眠に悩まれる方にとっては、やや物足りないと感じるでしょう。

でも、睡眠は脳内の視床下部で調整される概日リズムからの情報による体内時計でリズムとなるもの。ベンゾジアゼピン系睡眠薬が自然睡眠に近いかなと感じます。

ノンレム睡眠の深い睡眠期が長くなりすぎる方もいて、レム睡眠が不足することもあります。

レム睡眠は、脳幹から神経活動を行なっており、日中の覚醒に近いため、起きた後にスッキリと感じるには、ノンレム睡眠の深い睡眠の質とレム睡眠の確保にありますので、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬でレム睡眠が不足し、日中の仕事であると上司に指示された内容を迅速に対応していく部分で効率の悪さを感じる方もいます。


バルビツール酸系

ノンレム睡眠(浅い睡眠)

ノンレム睡眠(深い睡眠)

レム睡眠
↓↓

現在はほぼ使用されていないバルビツール酸系睡眠薬ですが、徹底的にノンレム睡眠の浅い睡眠期に効果があります。

寝入りは最高に早いですが、ノンレム睡眠の深い睡眠とレム睡眠は完全に犠牲になる睡眠周期となるのです。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬やメラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬が出てきたら、バルビツール酸系睡眠薬のリスクがとても見えてきます。


ロゼレム(メラトニン受容体作動薬)

ノンレム睡眠(浅い睡眠)

ノンレム睡眠(深い睡眠)

レム睡眠

メラトニン受容体作動薬のロゼレムは、睡眠周期に特に何の影響も与えません。

つまり、睡眠リズムに睡眠薬という外的な力を与えずに、自然睡眠を誘発する薬剤です。

ベンゾジアゼピン系は寝入りがすぐだったという認識があるので、不眠に悩まれている方には、精神的な苦痛は解消できるでしょう。

でも、認識が強い効果ほど生体内の自然に生み出される神経活動ではないので、睡眠周期を壊すことになっています。

より自然睡眠を心がけるなら、メラトニン受容体作動薬のロゼレムですね。


ベルソムラ(オレキシン受容体拮抗薬)

ノンレム睡眠(浅い睡眠)

ノンレム睡眠(深い睡眠)

レム睡眠

睡眠薬以外の不眠を改善させる他の薬

sleeping-pills

睡眠薬以外の不眠に効果ある薬

不眠に使用される薬は睡眠薬以外に適応されるものがあります。
不眠の効果があるのは、抗うつ剤と抗精神病薬です。

  • 抗うつ剤
  • 抗精神病薬

睡眠薬を処方、服用してもまったく効かない方がいます。
その場合、不眠ではなく、軽度から重度まで様々な症状がありますが、精神的な病気によって不眠が発症することがあります。

もし精神疾患から不眠が来ているなら、睡眠薬以外の抗うつ剤や抗精神病薬を服用した方が不眠は改善します。

抗うつ剤

睡眠薬と同じ不眠を改善する薬剤は、鎮静系抗うつ剤と言います。
鎮静系抗うつ剤には、NaSSA、三環系、四環系とその他に分類された薬剤があります。

鎮静系抗うつ剤で睡眠に誘発する作用は、覚醒系を促通するセロトニンとヒスタミンを抑える作用によって睡眠に誘導させていきます。

  • 三環系抗うつ剤
  • 四環系抗うつ剤
  • NaSSA

三環系抗うつ剤は、うつ病の罹患者が増え始めた1957年に抗うつ剤の第一世代として開発された薬剤です。
三環系抗うつ剤は、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害作用が高くなり、うつ病の改善につながります。

三環系抗うつ剤は、効果が出るまで3〜4週間かかり、そのあいだ集中力や思考低下するので、仕事などの社会活動をされている方には不向きですね。

このような抗うつ剤は鎮静や鎮痛作用があるので、催眠作用が出るので、睡眠薬と同じく不眠に効果があります。
不眠が視床下部の機能低下以外の情動と脳幹の神経活動から不眠が出ている方は、抗うつ剤によってうつ病の治療を同時に行なうことが必要です。

1番歴史の古い抗うつ剤が三環系抗うつ剤。
次に生まれた抗うつ剤で、睡眠薬の代わりをするのが四環系抗うつ剤です。

四環系抗うつ剤は、脳内の神経線維の前方にあるシナプス前のα2受容体を遮断することで、うつ病を改善します。
α2受容体とは、ノルアドレナリンが生成される脳幹にある核の中の受容体です。

四環系抗うつ剤は、α2受容体を促進し、ノルアドレナリンを増加させる薬剤と細胞外のノルアドレナリンを増加させ、細胞内に取り込ませる速度を遅くする薬剤があります。

ノルアドレナリンはセロトニンとドーパミンと並び、覚醒系の神経伝達物質。
覚醒系をコントロールすることで、睡眠を誘発させるのです。
三環系抗うつ剤より、四環系抗うつ剤の方が効用はソフトに出てきますので、自然睡眠に近い状態で睡眠を獲得できます。

睡眠薬の代わりをする抗うつ剤で1番新しい薬剤は、NaSSAです。
NaSSAは、ノルアドレナリン作動性と特異的セロトニン作動性の作用を持ち、ノルアドレナリンを抑え、セロトニン作動を増やし、これらの神経伝達物質をモノアミン系と言いますが、同じ作用の物質のバランスを良くし、うつ病の改善を促進します。

NaSSAは、覚醒系のバランスをコントロールし、精神的な不安を軽減し、安堵感を増やすことができます。
その結果、睡眠に誘発できるのですね。
NaSSAは自然睡眠に近い効果が得られますので、モノアミン系のバランスが効率が悪く、不安が強い方には、睡眠薬よりNaSSAの方が効果があると考えられます。

睡眠薬の代わりをする抗うつ剤

  • 三環系抗うつ剤
    アミトリプチリン(商品名トリプタノール):4.5(ピーク時間)・31(半減期)
  • 四環系抗うつ剤
    ミアンセリン(商品名テトラミド):4.5(ピーク時間)・18(半減期)
  • NaSSA
    ミルタザピン(商品名レメロン|リフレックス):1.5(ピーク時間)・32(半減期)
  • その他
    トラゾドン(商品名デジレル|レスリン):3〜4(ピーク時間)・6〜7(半減期)

抗精神病薬

睡眠薬の代わりをする薬剤で、抗精神病薬があります。
抗精神病薬は、精神安定剤として心療内科で処方されます。

抗精神病薬は精神安定剤の1つですが、他には抗うつ剤、抗そう薬、抗不安薬などがあります。
精神疾患にもさまざまな症状がありますので、精神安定剤と一概に言われますが、患者さんによって処方は変わります。

抗精神病薬は統合失調症の方に使用する薬剤で、幻覚妄想に対する抗幻覚妄想薬と、鎮静を主目的として使用する鎮静薬に分類できます。

抗精神病薬

  • 幻覚妄想に対する抗幻覚妄想薬
  • 鎮静を主目的として使用する鎮静薬

抗精神病薬は、覚醒系の神経伝達物質のドーパミンとセロトニンの両方の神経をコントロールする作用があります。
覚醒系をコントロールすると、穏やかな精神状態になることができるので、その作用から睡眠が誘発されるのです。

睡眠薬の代わりをする抗精神病薬

  • SDA
    リスペリドン(商品名リスパダール):1〜3(ピーク時間)・4〜21(半減期)
  • MARTA
    オランザピン(商品名ジプレキサ):4.8(ピーク時間)・28.5(半減期)
    クエチアピン(商品名セロクエル):2.6(ピーク時間)・3.5(半減期)
  • 定型
    レボメプロマジン(商品名ヒルナミン):1〜4(ピーク時間)・15〜30(半減期)
    クロルプロマジン(商品名コントミン):3.2(ピーク時間)・11.7(半減期)

まとめ:睡眠薬は、5種類の効用の違うタイプで存在している

この記事では、不眠に悩まれるあなたのために睡眠薬の種類を具体的に書いてきました。

睡眠薬には、5種類効用の違うものがあります。

  • 非ベンゾジアゼピン系
  • ベンゾジアゼピン系
  • メラトニン受容体作動薬
  • オレキシン作動拮抗薬
  • バルビツール酸系

これらの5種類の睡眠薬のうち、非ベンゾジアゼピン系とベンゾジアゼピン系睡眠薬は、脳の大脳辺縁系と脳幹網様体の神経活動を抑えて、睡眠に導きます。
効果はかなり早いですが、日中に眠気が取れないなどの副作用も出てきます。

メラトニン受容体作動薬とオレキシン作動拮抗薬は自然に眠気に誘導する睡眠薬です。
効果は徐々にしか出ませんが、自然睡眠に近づけるので、睡眠薬を止める時期は分かりやすいですね。

私の考えでは、睡眠薬を服用せず、自然に睡眠を取れるように、体内の神経活動の調整をオススメします。

運動、食事、休息、ストレスマネジメントなど、あなたの睡眠に関わるさまざまな要素を取り上げ、自然に睡眠が取れるようにして行きましょう。

どうしても睡眠が不安で日中から睡眠を考えてしまい社会活動に影響が出ているのであれば、あなたに合った睡眠薬を処方してもらうのも良いです。

あなたに合った選択を取って、自然睡眠を回復させてくださいね。

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